数年前からニュースやSNSなどで頻繁に取り上げられている自動車のあおり運転。2020年6月から悪質な運転は厳罰化され、加害者となるドライバーは重い罰則を受けると周知されている。
しかし公道ではあおり運転を行うドライバーがいまだに多く、違反行為が後を絶たない状況だ。
今回、悪質な被害に遭遇したエピソードを明かしてくれたのは、関西地方にある某県で営業職に就いている神田明宏さん(仮名・30代)。神田さんは県内の各所にある取引先に出向くため、月曜から金曜まで毎日5時間以上は営業車を運転しているという。

「赤ちゃん」を乗せながらあおり運転に及んだ母親の呆れた言い訳...の画像はこちら >>

法定速度を守る必要があるゆえ…

多くの時間を車の運転に費やしている神田さんは、さまざまな場所であおり運転を目撃しているそうだ。

「厳罰化されることがこれだけニュースになっていても、あおり運転は減っていない印象です。特に地方に行くとひどいあおり運転が多いですね。少しでも遅い車がいるとクラクションを鳴らしてあおったり、無理やり追い越す輩をよく見かけます。自分も会社のロゴがデカデカと入っている社用車を運転しているので、法定速度はなるべく守るようにしています。そのため、速度が遅いのかよくあおられることがあります」

日常的にあおられている神田さんだが、つい先日も被害にあったという。しかも、だいぶ悪質なあおり運転だった。

ミニバンが車間距離を詰めてきた

「かなり郊外のエリアにある工場に行く際、ひどいあおり運転にあいました。相手はファミリータイプのミニバンで、ドライバーは若い女性だったのです。こちらは制限速度ギリギリで運転していたのですが、ピッタリと後ろにつけてきて、少しでも急ブレーキをしたら追突するレベルのあおり運転でした。しかも信号で少しでも発進が遅れるとクラクションを鳴らしてくるし、最近では珍しいくらいに悪質な行為です。
一車線しかない道路が延々と続くルートだったので、うざいなと思いながらも10分近くあおり運転されていました」

タイミングを見計らい、その車を前に行かせた神田さん。しかしあおり運転をしていたドライバーは、他の車にも執拗に車間距離を詰める危険な運転を続けた。

今度は初心者マークの車両に魔の手が

「そのミニバンを先に行かせたのですが、すぐ前方にいた他の車に追いつき、またもあおり運転をはじめました。あおられている車は初心者マークをつけていて、制限速度よりやや遅めで運転していたのです。自分も追いついたので後ろから見ていると、ミニバンはピッタリと後ろにつけて、同じようにあおっていました。しかも前の車は初心者なので急ブレーキを踏むこともあり、追突しそうな場面が何度かあったのです。そのたびにミニバンはクラクションを鳴らし威嚇を続けていました。さすがに悪質すぎると思い、証拠を残すためにドラレコだけでなくスマホを固定して撮影したのです。時間にして5分ほどでしたが、バッチリと危険運転するミニバンを撮影できました」

通報レベルのあおり運転を行っていたミニバンに対し、神田さんは注意するために跡をつけた。そんな時、タイミングよく悪質ドライバーは道路沿いにあるスーパーに入店。神田さんもスーパーに入り、ミニバンの隣に停車して話しかけた。

あおったミニバンの車内には乳幼児が…

「まずミニバンの車内を見て驚いたのですが、後部座席にチャイルドシートが設置され、赤ちゃんがスヤスヤと寝ていたのです。その女性は生まれたばかりの我が子を乗せながら、悪質なあおり運転をしていました。
ドン引きしましたね……。とはいえあおり運転していたのは事実なので、窓越しにこちらのスマホで撮影した動画を見せ、警察に通報すると宣告したのです。するとその女性はすぐに車を降りて、炎天下のアスファルトの上で土下座して泣きながら『許してください』と謝罪してきたのです。謝られて済む話ではないのですが、ひとまずスーパーにあるフードコートに移動して話し合いました」

小さな我が子を乗せながら、悪質なあおり運転をしていたミニバンの女性。話を聞くと、驚きの理由で危険な運転をしていたと発覚した。

「なぜあおり運転したのか聞くと、育児のストレスでムシャクシャして、遅い車を見るとイライラしてあおってしまったと言うのです。赤ちゃんもいるし、自分も次の取引先に行かなければいけないので、ひとまず旦那さんに連絡してもらいました。仕事中だった旦那さんはすぐにスーパーに駆けつけ、一緒に謝罪してきたのです。そのうえで、その女性には二度と運転させないと旦那さんも涙ながらに謝罪してきました。本来であれば警察に通報したいところですが、さすがに懲りただろうと思い、厳重注意した上でその場を後にしました。いま思えば少し甘かったかなと反省しています」

どんな事情があっても、あおり運転をしたら誰でも平等に罰則を受けることになる。トラブルを起こす前に、一人ひとりが自分の運転を見直すことが重要になりそうだ。


<TEXT/高橋マナブ>

【高橋マナブ】
1979年生まれ。雑誌編集者→IT企業でニュースサイトの立ち上げ→民放テレビ局で番組制作と様々なエンタメ業界を渡り歩く。その後、フリーとなりエンタメ関連の記事執筆、映像編集など行っている
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