◆JERAセ・リーグ 阪神2―0中日(10日・甲子園)
恒例の「あと1球」コールが響く前だった。スタンドの虎党が心の中で「あと2球…」と期待する中、阪神・村上頌樹投手(26)は淡々と腕を振った。
奪三振も5つ重ねてDeNA・バウアーに並ぶ39とし、2冠に躍り出た。オフから磨いてきた直球に手応えを実感し、「真っすぐがいいから三振が取れる。変化球でも打たせられている」。甲子園の中日戦は通算6登板で6勝。藤川監督も「今日はちょっとだけホッとしてもらいたい」とたたえた。
プロ入り後から、登板前日の大掃除を日課とする。「一回、投げて帰ってきた時に散らかっていたのが嫌で」。掃除機をかけるだけにとどまらない。
この日は女性ファン向けのイベント「TORACO DAY」。「友達にしたい選手」で3位にランクインし、「名前を覚えてもらっているのかな」と照れた。チームは単独首位をキープ。その中心にいる右腕を、女性ファンが忘れるはずがない。(直川 響)