◆東京六大学野球春季リーグ戦 第5週第1日▽明大2―1立大(10日・神宮)

 明大が先勝した。明大は1分けを挟んで開幕5連勝。

今秋ドラフト候補の正捕手・小島大河(4年=東海大相模)が左脇腹肋骨(ろっこつ)を骨折し、戦線離脱する緊急事態の中、4番の内海優太外野手(3年=広陵)が同点の9回先頭、勝ち越しの右越えソロ。左腕・毛利海大(4年=福岡大大濠)が8回1失点の好投で今季3勝目を挙げた。

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 内海が値千金のV弾を放った。1-1の9回先頭、直球を強振。1年春の慶大2回戦で代打勝ち越し2ランを放って以来の通算2号を、ライトスタンドにたたき込んだ。

 「最初のカードからずっと苦しい結果が続いていて、終盤1本出せて良かった。真っ直ぐを狙っていました。行ったな、と。チームの勝ちにつながったのは、自信になります」

 2022年のU18高校日本代表では4番を務めた強打者。明大入学後、1年秋に左膝前十字靱帯(じんたい)を手術。リハビリを経て、今季からレギュラーに定着した。しかし、打率1割台に甘んじていた。

「内角攻めをされていて、意識しすぎていました」。それでも最高の場面で復活の一撃が飛び出した。戸塚俊美監督(60)も「いいところで打ってくれて良かった」と称賛した。

 偉大な父に並んだ。法大では稲葉篤紀と同期で、東芝でもプレーした父・将人さんはリーグ戦通算2発。法大OBでホンダ鈴鹿の兄・壮太はリーグ戦通算1本塁打と、珍しい家族3人での東京六大学本塁打をマークしている。

 その父はリーグ戦通算38試合に出場し、95打数29安打、11打点、2本塁打の打率3割5厘。兄は36試合に出場し、113打数24安打、11打点、1本塁打の打率2割1分2厘だ。現在、内海は通算6打点。2人の11打点を超えたいところだ。

 さらに、弟の竣太は大阪桐蔭の2年生として、レギュラーで活躍中。この日の春季大阪府大会準々決勝・堺東戦(南港中央)でも「6番・右翼」で先発し、ヒットを放った。

内海家の熱き野球ドラマは、まだまだ続いていく。

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