◆JERA セ・リーグ ヤクルト2ー1巨人(11日・神宮)
ロースコアの接戦を落とした。試合後、阿部慎之助監督(46)は「1―2」と結果が表示された神宮球場のスコアボードを横目に、三塁側ファウルグラウンドを歩いてクラブハウスに引き揚げた。
1球に泣いた。0―0の6回1死三塁。茂木を3球連続直球で追い込み、カウント1―2からの4球目。148キロ直球を右中間席に運ばれた。捕手の甲斐は内角高めのボール球要求だったが、真ん中に入って痛恨の決勝2ラン。ここで降板となった。「試合はつくったっていう、先発の仕事はできたかもしれないけど、そこで納得はしてほしくないなと」。伸びしろに期待しているからこそ6回途中2失点の結果に満足してほしくない。
堀田を援護できなかった攻撃陣にも課題が残った。不動の4番・岡本が左肘靱帯(じんたい)損傷の重傷で全治3か月の見込みとなり7日に登録抹消。岡本が初回に負傷交代した試合を含めたこの5試合は2勝3敗で、7日の阪神戦(東京D)の5回から31イニング連続でタイムリーヒットが出ていない。ヤクルトとの今3連戦はソロ本塁打4本、内野ゴロの間、相手失策による計6得点。この日は相手先発・吉村と守護神・石山の前に12三振を喫し、唯一得点圏に走者を進めた4回1死一、二塁で5番・甲斐、6番・増田陸が凡退した。
2試合連続で4番に入り自身の4番初安打を放ったキャベッジは試合後、「岡本選手はチームにとって欠かせない存在。彼がいない間、自分が穴を埋められるように頑張っていきたい」と決意を語った。岡本の長期離脱の間は大味な野球ではなく、投手が踏ん張り、全員でつないで1点ずつ積み重ねていくしかない。
今季初の2カード連続負け越しとなったが、貯金3でリーグ2位。浅野、増田陸ら若手に明るい材料もある。13日からマツダで広島3連戦。