◆パ・リーグ 日本ハム4―0楽天(11日・エスコンフィールド)

 日本ハムは11日、楽天戦(エスコン)に4―0で快勝し、本拠地では今季初の同一カード3連勝。両リーグ20勝一番乗りで貯金を最多の6とし、4月2日以来の単独首位に立った。

「1番・左翼」でスタメン出場した吉田賢吾捕手(24)は、自身初の初回先頭打者本塁打を放つなど4打数2安打1打点の活躍。自身初となる左方向への一発で、同学年の先発・古林(グーリン)を援護した。

 迷いなく初球から、吉田はフルスイングをかけた。楽天の先発・岸の140キロ、外角高めへの直球を捉える。高く上がった打球は、左翼2階席のフェンス部分を直撃する先制4号ソロ。自身初の初回先頭打者初球弾を「打席いくちょっと前に、ボスから『初球いっちゃっていいよ』って。いきました。初球打ちにいって、真っすぐ刺されて内野フライとかは見栄えも良くない。ファウルでもいいかなという気持ちで」と振り返った。

 自身の言葉を裏切る一発だった。ここまでの3本塁打は全て得意の右方向。しかも全てエスコンの右翼ブルペンにたたき込んでいた。

試合前、偶然にも野村とホームラン談議になった。「全部ブルペンへの3本だったので、ふざけて『今年、俺、あそこのブルペンに10発いくわ』って。ブルペンだけいくわ、みたいな話だったんですけど、その直後にまさか違ったホームランが出るとは思わなかった」と明かした。

 先発した“同期”を強力援護だ。古林とはデビュー戦でバッテリーを組み、この日対戦した楽天に敗れていた。「古林が投げるとき出てた試合は両方ホームラン打ってる。古林とも『またホームランだよ』みたいな話はしました」と胸を張った。打った瞬間に両腕を突き上げた新庄監督も「1番ね、(好調の)石井くんも考えたんですよ。でも石井くん、上にもっていくと打てんから」と勘ピューターがはまり、会心の笑みを浮かべた。

 この日は母の日。思い出を聞かれ「ほどよく厳しかった。反抗期とかもあって、傷つけるようなことも言ったりした記憶がある。

毎回思うのは、お母さんの言うこと聞いとけばよかったなということが多い。体調管理とか」と苦笑した。ホームランという最高のプレゼントにも「自分も大人になったんで、日にちは過ぎちゃいますけど、本来は(何かプレゼント)した方がいいのかなと思います」。母を安心させる活躍を、これからも続けていく。

(山口 泰史)

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