◆米大リーグ ダイヤモンドバックス1―8ドジャース(11日、米アリゾナ州フェニックス=チェースフィールド)
ドジャース・大谷翔平投手(30)が11日(日本時間12日)、敵地・Dバックス戦に「1番・DH」で先発出場。父親になって初めて迎えた「母の日」に、ピンクの特別仕様バットで2安打1打点と活躍し、真美子夫人と母・加代子さんに感謝の気持ちを届けた。
ピンクのバットから快音が響いた。3点リードの6回2死三塁。大谷は左腕・マンティプライのカーブをはじき返した。打球速度111マイル(約178・6キロ)の痛烈な打球が右前で弾む。昨季は腰の張りで欠場した「母の日」に、2年ぶりの打点となる適時打だ。5回には今季最長を更新する9戦連続安打の中前打を放っており、マルチ安打で“2人の母”に感謝を届けた。
パパになって初めて迎えた特別な日。大谷もピンクのバットやベルト、ロゴがピンクのスパイクなど特別仕様の用具で臨んだ。球団SNSのスタメン発表では「Kayoko’s son」と紹介された。母・加代子さんへの感謝はもちろん、今年は真美子夫人が第1子となる長女を出産したことを4月19日(同20日)に発表したばかり。試合前には「Happy Mother’s Day」とインスタグラムに赤い花の絵文字を添え、愛犬・デコピンの英語名「Decoy」と入ったピンクのベビー服を着たまな娘の手に自身と真美子夫人とみられる手を添えた写真を公開して“新米ママ”を祝福した。
昨年の開幕直後。水原元通訳の問題で揺れていた時は「いてくれて良かったなと」。世界一になった直後にも「(家庭での時間が充実し)より野球に集中できるようになった」と、大谷はことあるごとに妻への感謝を口にしてきた。プレーに影響が出るなどの理由で基本的に左手薬指に指輪はつけていないが、球場以外では首からネックレスのようにしてぶら下げている。真美子夫人の存在が、今の大谷を支えている。
今季最長の敵地10連戦は6勝4敗で終了。ドジャースは一日でナ・リーグ西地区首位に返り咲いた。41打数15安打の打率3割6分6厘、5本塁打、11打点と過酷な日程でも打ちまくった背番号17。「ロードは(自分が一緒に)いないので、そこがちょっと気がかり」と話していたが、ようやく真美子夫人、長女が待っているロサンゼルスに戻ることができる。休養日を挟み、13日(同14日)から今度は本拠地9連戦。心身ともに充電し、最高の状態で走り出す。(中村 晃大)