◆メニコン杯第28回日本少年野球 関東ボーイズリーグ大会 ▽準決勝 宮城仙南ボーイズ(東北中央)5―4武蔵嵐山ボーイズ(埼玉西) ▽決勝 狭山西武ボーイズ(埼玉西)5x―4宮城仙南ボーイズ(東北中央)(5月4日、本庄・ケイアイスタジアム)

 東北・関東甲信越の177チームが参加した最大規模のトーナメント。メニコン杯第28回関東ボーイズリーグ大会は3日に準々決勝、4日に準決勝・決勝が行われた。

過去最高が8強の宮城仙南ボーイズ(東北中央)は3年ぶりの準々決勝で東村山中央ボーイズ(東京西)を下すと、準決勝では過去最多5度の優勝を誇る武蔵嵐山ボーイズ(埼玉西)に勝利し、東北勢初の決勝に進んだ。決勝は狭山西武ボーイズ(埼玉西)にサヨナラ負けも堂々の準優勝となった。

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 宮城仙南が新たな歴史を刻んだ。今年の春季全国大会に初出場し1勝を挙げたチームが、177チームが参加する大会で東北勢初の準優勝だ。

 今野勝範監督(42)は「(現3年の)4期生は今までと比べて強くはないんですが、歴代の記録をどんどん更新する不思議な世代です」。一戦ごとに成長したナインに驚きを隠せない。

 準決勝では2番・右翼の早川が4打数3安打の活躍でヒーローになった。同点の6回1死二、三塁から右翼線へ決勝の三塁打。試合前に指揮官からキーマンに指名された男は「絶対勝ちます」。有言実行の一打に「応援して、サポートしてくれる人の気持ちを背負って打ちました」と感謝の思いを口にした。最終回は1点差にされたが守護神・中嶌が「(最後まで)投げさせてください」と続投を志願し、強豪・武蔵嵐山に勝利。「緊張するより『ここで抑えたらヒーローになれる』と思っています」というプラス思考を力に変えた。

 決勝は中川主将が奮闘。初回に先制の2点二塁打。6回には1点差に迫るタイムリーを放つと、四栗の二塁打で同点の生還。優勝は逃したが「悔しいけれど、接戦を経験してワンランク強くなったと思う」と胸を張った。

 今野監督は「今大会、中川は苦しい場面で打ってくれた」と最敬礼。181センチの2年生右腕・小山も急成長。四栗、菊地の副将もチームを献身的に支える。指揮官は「こんな子供たちと出会わせてくれて感謝です」。チーム一丸、無形の力でつかんだ準優勝。まだ序章、この夏の続編に期待大だ。

 【宮城仙南ボーイズ・登録メンバー】※は主将

 ▽3年生 ※中川隼汰、川村楓雅、萓場康太、菊地俊、押田怜旺、遠藤大河、四栗凰雅、佐藤海年、中嶌優太、早川心、佐藤琥宇、八森想太、阿部愛斗

 ▽2年生 久保田唯斗、立花晟、山本悠斗、川村勇気、外川彪雅、小山陽斗、高橋海翔、笠原心結、佐藤健琉、八森奏太、首藤恒輝、有見悠汰

 【表彰選手】

 ◆中学生の部

最優秀選手賞 金子夢叶(狭山西武)

優秀選手賞  中川隼汰(宮城仙南)

 ◇東北勢と関東BL大会 東北初のボーイズチームの仙台が2003年の第6回から参加(3回戦敗退)。05年から東北支部が創設された。

しばらく8強入りがかなわなかったが、13年の第16回大会で仙台が初の4強入り。いわきが17年(第20回)、18年(第21回)と2年連続で4強入りした。ほか宮城仙北が16年の第19回大会で8強。24年から東北中央支部(岩手・宮城)、東北南支部(山形・福島)で活動している。

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