◆メニコン杯第28回日本少年野球 関東ボーイズリーグ大会 ▽準決勝 狭山西武ボーイズ(埼玉西)7―0前橋桜ボーイズ(群馬)=5回コールド= ▽決勝 狭山西武ボーイズ(埼玉西)5x―4宮城仙南ボーイズ(東北中央)(5月4日、本庄・ケイアイスタジアム)

 東北・関東甲信越の177チームが参加した最大規模のトーナメント・メニコン杯 第28回関東ボーイズリーグ大会。約1か月にわたる熱戦は、狭山西武ボーイズ(埼玉西)の2年ぶり2度目の優勝で幕を下ろした。

決勝は同点の7回2死一、二塁から途中出場の金子夢叶(3年)が左翼へ適時打を放ち、サヨナラ決着。劇的な優勝を飾った。宮城仙南ボーイズ(東北中央)は東北勢初の決勝進出を果たした。

  ※  ※  ※

 熱戦に終止符を打つ打球が左翼線の芝生で跳ねた瞬間、金子は右手を突き上げた。同点の7回2死一、二塁で人生初のサヨナラ打。「自分が決めようと思った。逆方向を狙った。最高です」。ナインにもみくちゃにされ歓喜に浸った。

 無死満塁の絶好機に前打者・西澤は強烈な打球も三直併殺。気まぐれな勝利の女神を金子はバットで再び振り向かさせた。元巨人の福井敬治監督(48)は「今日は金子でしょう」と破顔一笑し、ベンチでのやりとりを明かした。

「あいつが『胴上げ投手になりたい』と言ってきたんです」。登板予定はなかったが、試合中の直訴に即決。7回に5番手で登板した“目立ちたがり屋”がその裏にバットでヒーローになってみせた。

 自慢の打線もすごみを増した。準決勝では3番・菊地、4番・工藤の連続三塁打などでコールド勝ち。5番・小山は決勝で3打数3安打。1番・村橋は2試合で7打数6安打の大暴れ。村橋の兄・輝平は2年前のVメンバー。「憧れのお兄ちゃんに並べた。うれしい」と喜んだ。

 春季全国大会では準優勝した紀州(和歌山)に初戦敗退。「個人個人で意見を出し合いました」とチームを束ねた福井主将は右肩痛から復活、5回の1イニングを3者凡退に抑えた。

 春の東日本王者として177チームの頂点に立った。この勢いのまま、夏まで一気に突っ走る。

 【狭山西武ボーイズ・登録メンバー】※は主将

 ▽3年生 ※福井涼太、山中稜大、西澤愛翔、片井龍海、松永行太郎、村橋照平、菊地輝、小山蓮心、金子夢叶、後藤結大、帰山裕迅、堀江勇人、片桐伸明、吉原隆之介、尾嶋月遙、島居寛都、本多真悟

 ▽2年生 工藤未來、高橋隼太、藤田舞音、桂拓夢、近藤楓貴、中島大悟、下久保潤軌、二田水侑政

 【表彰選手】

 ◆中学生の部

最優秀選手賞 金子夢叶(狭山西武)

優秀選手賞  中川隼汰(宮城仙南)

編集部おすすめ