◆米大リーグ パドレス5―9エンゼルス(12日、米カリフォルニア州サンディエゴ=ペトコパーク)
エンゼルス・菊池雄星投手(33)が12日(日本時間13日)、敵地・パドレス戦に先発し、6回98球を投げて7安打4失点(自責2)で、9試合目の登板での今季初勝利を逃した。試合は2点を追う9回にエンゼルスがウォードの満塁本塁打などで逆転し、菊池の5敗目も消えた。
雄星は2点リードの3回に3連打で1点差に迫られ、なおも2死一、三塁で、ボガーツのゴロを自ら捕球したが一塁へ悪送球。2人が生還して逆転を許した。5回には先頭のタティスに10号ソロを被弾。リードを許してマウンドを降りた。だが9回に元ソフトバンク、阪神でパドレス守護神のスアレスが4者連続四球と大乱調。2者連続押し出し四球で追いつくと、ウォードが満塁弾を放って試合を決めた。
雄星はチームの劇的な勝利に「勝てなかったら、あのエラーが1週間頭の中をよぎったと思いますけど、勝ったので誰も覚えていないと思います」とホッとしたように表情を緩めた。西武時代の17年にはゴールデングラブ賞を受賞するなどメジャー7年間でこれまでは失策も「3」だけで昨季は無失策だったとあって「あれは完全な…。日本だったらあした早出で1時間くらいノックを受けているような、そういうミスです。でもあした早く出て、守備練習だとさっきコーチに言われた」と苦笑い。「あそこのエラーは恥ずかしかったし、悔しかったし。でもみんな忘れているでしょ」と、報道陣を笑わせた。
ただ、強力パドレス打線を6回4失点、自責2でまとめ試合を作り、チームの逆転勝ちにつなげたのも事実。雄星は「(パドレスは)いい打線ですね、本当に。左右ジグザグで打線をくめて、左ピッチャーも苦にしないような打線なので、非常に戦っていて、切れ目のないなというのを感じましたし、ただ相手がパドレスでしたけど、粘り強くしっかりと試合を作れて、勝てたというのはチームにとっても僕自身にとっても大きいかなと思います」と振り返り、「左バッターをしっかりと抑えて、右バッターにはある程度しょうがないという考え」、「あまり高望みはしないで、こういう打線の時に無失点でいこうとかすると、傷口が広がっちゃうので5回3失点くらいで」と試合前に考えていたプランも明かした。
9登板で勝ち星なしの0勝4敗、防御率3・72だが、「僕の中では投球回と登板数。そこに1番こだわっている。」、「球の質、制球もよかったと思う」と前を向いていた。