◆パ・リーグ 日本ハム7―0オリックス(13日・エスコンフィールド)

 日本ハムが“新庄スペシャル”で首位攻防3連戦の初戦を制した。リードを2点に広げた7回、なお1死満塁から五十幡亮汰外野手(26)が、球団では昨年7月の浅間以来となる2ランスクイズ。

今季すでに3敗を喫するなど、6連敗中だったオリックスの九里を攻略した。チームは1分けを挟んで今季初の5連勝。貯金も最多の7とし、2位・オリックスを2ゲーム差に離した。

 サインを見た五十幡は、視線を落とし打席に入った。7回1死満塁の2球目。九里が投球動作に入ると、走者が一斉にスタートを切る。サインは2ランスクイズ。五十幡は変化球を投前に転がした。「1球で決めたいところだったので、方向というよりも何とかフェアゾーンに」と一発で決めた。

 判断が難しかったのは二塁走者・水野だ。九里は本塁へトスしかけたが、手に付かず一塁送球へ切り替えた。水野は三塁を回ったところで、九里が本塁へトスするように見えたため一度ストップ。

一塁へ投げた瞬間に再スタートを切り、頭から生還した。「結構イレギュラーな動き。一番いい判断ができた」と胸を張った。

 難敵を攻略した。九里には今季3敗を喫し、6連敗中だった。2ランスクイズの混乱を突き、打者走者・五十幡も二塁へ。2死後、二、三塁の場面で、2番手の山崎から山県がプロ初打点となる右前2点打を放ち、トドメを刺した。難しいサインに応えたナインに、八木打撃コーチは「あるんじゃないかっていうのは、みんな分かっている」とうなずいた。

 首位攻防3連戦の初戦を、“新庄スペシャル”で制した指揮官は「50分、五十幡くんに聞いてあげて。しかし、みんなすごいわ」とご満悦。今季初の5連勝で貯金も最多の7とした。ゴール直前で逆転する展開が盛り上がると言いながら「でも独走はしたい(笑)」と色気を隠さない新庄監督。

次は宮城をたたき、早々と独走態勢に入る。(山口 泰史)

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