◆JERA セ・リーグ 広島5―1巨人(15日・マツダスタジアム)

 巨人のタイムリー欠乏症が深刻だ。ここまで打てないのであれば、機動力を武器にし、そして守備を固める方向に、視点を変えてもいいのではないか。

 今年は特にマツダ、そして甲子園で分が悪いが、球場の特性を踏まえてメンバーを使い分けるのもありだ。東京Dや神宮、横浜は別として、岡本不在の今、ガンガン長打が出るというのは期待できない。足を絡めたスモールベースボールにかじを切った方が、阿部監督も采配しやすいかもしれない。

 今1軍にいるメンバーで言えば、1番から若林、重信、吉川といった足を使える選手を上位から並べ、唯一と言っていいほど調子がいい増田陸を4番に置いてもいい。吉川、甲斐以外のメンバーは柔軟に使い分けたらいいんじゃないかな。

 勢いという意味ではゲームのポイントは6回。無死満塁でバッターは山崎。カウント2―2となってから、おそらくベンチから「待て」の指示が出たとみられる。見逃し三振。ゲッツーでチャンスがしぼむリスクを避けたのだろう。ただ、腹をくくって山崎のハートの強さに任せてもよかったのかな。改めて感じたのは、勝負事って前進するのが一番大事なんだ。

流れの悪い今こそ、引かずに攻め続けてほしいと切に思ったシーンだったね。(スポーツ報知評論家・高木 豊)

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