◆東都大学野球2部春季リーグ戦第4週第2日▽専大13―5拓大(15日・大田スタジアム)
3時間39分のロングゲームの末、専大が拓大に雪辱し、1勝1敗のタイに持ち込んだ。リーグ戦初先発となった最速152キロ右腕・平野大地(2年=専大松戸)が2回を1安打4四死球も1失点と粘りのマウンド。
力強さがある。勢いがある。激戦区・千葉を制圧した剛腕・平野大地が帰ってきた。4月8日の駒大2回戦での9回リリーフに続く、リーグ戦のマウンド。大学での先発は練習試合も含めて、初めてだ。初回2死満塁から押し出し死球で1失点したが、予定通りの2イニングを投げきった。
「先発マウンドは新鮮で、『やっと戻ってこられたな』という気持ちはありました。元々2回と言われていて、自分的には打者9人で3イニングが目標でした」。持ち前の強気も確かに戻っていた。
専大松戸では最速151キロの剛腕として注目され、3年春夏と甲子園に出場。だが最後の聖地ではコンディション不良で登板できず、秋にはトミー・ジョン手術を決断した。
「1年間は体作りでした。『耐えれば良くなる』と言い聞かせながら、ずっとトレーニングの日々でした。自分は投げたい方なので、やりたいけどできないつらさはありました。野球をしないと、楽しくないなと」
同世代の好敵手たちはプロ2年目を迎え、1軍の舞台に立つ選手も増えてきた。意識しないはずがない。
「めちゃくちゃ悔しいですね。ロッテでは木村や早坂が1軍で投げていて、寺地も試合に出ていて。自分も地元なので応援しているんですけど、燃えてきます。もっとやらないとダメだなって」
幕張総合のエースだったロッテ・早坂響とは2023年夏の千葉大会5回戦、マリンで投げ合い、11球団18人のスカウトの前で投げ勝った思い出もある。今でも連絡を取り合う仲だ。そんな仲間たちの存在も刺激に、野球道を突き進む。
「1部で野球をするために入ってきた。チームで輪になって、1部に昇格して優勝して、大学選手権や神宮大会に出ることが目標です」
未完の大器が刻んだ、大いなる第一歩。戦国東都での切磋琢磨を経て、平野がもっとすごい投手になる。(加藤 弘士)