◆春季全道高校野球・空知地区代表決定戦 滝川西6―2クラーク(18日・岩見沢市営)
6地区で代表決定戦が行われた。空知地区では、滝川西が4連敗中のクラークを6―2で下し、3年ぶり16度目の全道大会出場を決めた。
新体制で4年ぶりのライバル撃破だ。校歌を歌い終えた滝川西ナインは全力疾走で駆け出し、控え部員、吹奏楽局、保護者らで埋まった三塁側スタンドに向かって拳を突き上げた。投打で勝利の立役者となった安部は「自分が入学してから全道に行けていなくて、とにかく全道に行きたかった。うれしい」と汗を拭った。
8季ぶりの地区突破を目指し、臨んだ代表決定戦。21年夏の勝利を最後に4連敗中で、昨秋も0―1で敗れているクラークを相手に先発マウンドに上がったのは、前日(17日)の3回戦・岩見沢緑陵戦で70球を投じている背番号「1」の右腕だった。
1回に内野ゴロの間に先制を許したものの、その後は粘りの投球を続けた。同点の5回1死二、三塁で自ら右中間を破る2点適時二塁打を放ち勝ち越すと、「6回くらいから両足太ももの裏がつってました」と言いながらも、続投を志願。7、8回に2イニング連続2死満塁のピンチを背負ったが、気迫のこもった投球でピンチを脱出し、9回135球を2失点で投げ抜いた。
17年夏の甲子園に出場した小野寺大樹前監督(48)が昨秋退任。同じくOBの林亨監督(45)が就任し新体制でスタートを切ったが、伝統は引き継がれた。今大会はセンターのレギュラーである甲谷龍馬(3年)をけがで欠く中、滝川西の真骨頂である全員野球、全力疾走を貫いて7季連続地区敗退のトンネルを脱出。春3年ぶりの全道大会出場権を手にし、「小野寺野球で勝つことに意味がある」と新指揮官。舞台が移ってもスタイルは変えない。円山球場でも全力でグラウンドを駆け回る。(島山 知房)