巨人のトレイ・キャベッジ外野手(28)が19日、「4番1号」に意欲を示した。岡本の離脱後は3人が4番を務めたが、10試合でノーアーチ。
気合に満ちた表情で、キャベッジが新大阪駅に降り立った。2・5ゲーム差で追う首位・阪神との敵地3連戦。シーズン序盤のヤマ場を前に「熱狂的なファンの前でプレーできるのは非常にありがたいことです」と目を鋭くした。4月29日の広島戦(東京D)で打球速度182キロの弾丸アーチを放つなどリーグ3位タイの6本塁打。メジャー級のパワーを、甲子園で爆発させる。
4番が板についてきた。岡本が離脱以降の10試合中7戦で大役を任され、18日の中日戦(東京D)で2安打1四球をマークするなど2戦連続3出塁。当初は力みからボール球に手を出す場面も目立ったが「重圧というより、どの打順でも自分の役割を果たすだけだと。『4番目のバッター』として打つことに関しては慣れてきました」と自然体に考え方を切り替え、力を発揮し始めている。
右翼から左翼方向へ吹く「浜風」で、左打者が不利とされる甲子園。巨人の左バッターは23年9月21日に大城卓が満塁弾を放って以降、16試合も本塁打が出ていない。右打者でも昨季は岡本、オコエの1本ずつのみ。今季は3試合でチーム0発と、12球団トップクラスに本塁打が出にくい球場だ。「過度に意識することはない。真芯でボールを捉えて、結果的にホームランになればいい」とキャベッジ。自身の「4番・1号」がチームの今季甲子園1号になれば、上げ潮ムードが高まることは間違いない。
愛称「キャビー」に一発が出れば巨人は5勝1敗。ユニホームを泥だらけにしたヘッドスライディングなど闘志をむき出しにした全力プレーでも、チームを鼓舞している。「そういう数字が出ているのはうれしいこと。チームの勝利につながるのであれば、これからもそういう貢献をしたい」。浜風を切り裂く4番のアーチが、巨人を上昇気流に乗せる。