◆春季高校野球関東大会▽準々決勝 横浜3-2浦和学院(21日・ノーブルホームスタジアム水戸)
関東大会は4強が出そろった。今春センバツ王者の横浜(神奈川1位)は、のべ5投手の継投で浦和学院(埼玉1位)の反撃を断ち、1点差で逃げ切り。
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最高気温29・7度。5月にしては暑すぎる水戸の太陽の下、先発・織田翔希(2年)が強敵・浦学打線に力投した。初回いきなり「150」がスコアボードに表示されると、場内の茨城県民からどよめきが起きた。カーブとチェンジアップも操り、緩急をつけた投球で0を刻んでいった。
見せ場はマウンドだけじゃない。5回2死。四球で出塁すると、高校初となる二盗を成功させた。サインが出た時の心境に「行けるな、と」。村田浩明監督(38)はその狙いに「バッティングもやっていかないと。8人で野球をやっているんじゃない、と。
1-0で迎えた8回2死二塁では代打の川原晴斗(3年)に左中間三塁打を浴び、同点とされた。次の打者をカウント1-1としたところで、左腕の片山大輔(3年)に継投。自身は左翼から右翼の守備に就いた。外野を守るのは高校初だった。3-1となった9回、再登板。1死から被弾し、なおも1死二塁のピンチ。カウント1ボール2ストライクから3年生右腕の山脇悠陽にバトンを託した。
「外野から投手に行くのは難しいものだと、あらためて感じました。(エースで4番として外野も守る)頼人さんがどれだけすごいかを、あらためて実感しました。外野からだと本当にオンとオフが難しい。
村田監督は言った。
「どのチームも織田をめがけて練習してくる。体の成長があってこそ、さらに織田は怪物になるのかなと思っています」
まだ16歳。伸びしろは無限大だ。大きく成長するための、様々な経験。全てを糧に、織田はもっとすごい投手になる。(加藤 弘士)