◆米大リーグ ドジャース4x―3ダイヤモンドバックス=延長10回=(20日、米カリフォルニア州ロサンゼルス=ドジャースタジアム)

 場内から「ヨシ!」コールが起こった。1点リードの7回に2死一、三塁のピンチ。

ドジャース・山本由伸投手(26)は、カットボールで空振り三振を奪った。この回、初安打を許すも得点を許さず。「キャッチャーミットをめがけて思い切り投げられたのでいい結果になってよかった」。ベンチに戻ると、本塁打を放った選手のように祝福された。

 6回終了時点で無安打無失点。出した走者は4回の四球による1人だけ。チームは今季ワースト4連敗中。救援陣もフル回転が続いていた中、7回でメジャー自己最多の110球を投げ抜いた。9回に追いつかれ6勝目を逃したが「とにかく今日の勝利に貢献できたことがすごくうれしい」。延長10回は、笑顔でサヨナラの輪に加わった。

 ロバーツ監督は試合前「エースとして4連敗を止め、長いイニングを投げることが求められる」と高いハードルを課した。スネル、グラスノー、佐々木と次々離脱する中で、崩れるわけにいかなかった。

試合後、捕手のスミスが「エースにふさわしい投球だった」とたたえれば、指揮官も「ファンタスティックだ。信頼に見事に応えてくれた」と最大限の賛辞を贈った。

 防御率は1・86で千賀(メッツ)に次ぐリーグ2位。被打率1割7分2厘はリーグトップだ。エースにふさわしい投球を続けている。昨季は右肩を痛め約3か月離脱した悔しさが残っているだけに「監督に(エースと)言っていただけるのはすごくうれしいので、期待に応えられるような活躍をできたらなと思います」と、次戦へ向けて気を引き締め直していた。(安藤 宏太)

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