◆米大リーグ ドジャース4×―3ダイヤモンドバックス=延長10回=(20日、米カリフォルニア州ロサンゼルス=ドジャースタジアム)
ドジャース・大谷翔平投手(30)が20日(日本時間21日)、「1番・DH」でフル出場した本拠地・Dバックス戦前にキャッチボールを行い、約3か月ぶりにスライダーを解禁した。変化球全球種を投げたことで、24日(同25日)にも23年9月の右肘手術後初めて打者相手に投げる可能性が高くなってきた。
十分な飛距離だった。三塁走者の大谷が焦る必要もなかった。中堅手が、マンシーの飛球を下がって捕球したのを確認すると大谷はスタート。延長10回、チームの連敗が4で止まるサヨナラのホームを踏んだ。ホームを駆け抜けた大谷は少し遅れて歓喜の輪に加わった。
存在感は十分だった。3打席目までは凡退続きも、1点を追う8回1死の4打席目に左中間への二塁打で3戦連続安打。1点を追う延長10回無死二塁では、相手ベンチが申告敬遠を選択し、本拠地は大ブーイングに包まれた。1死一、三塁では無警戒な相手バッテリーを見透かして二盗。快音を響かせずとも、サヨナラ勝ちに大きく貢献した。
投手復帰へ向けても、また一歩前進した。
キャンプイン直後の2月には、キャッチボールではスライダー(スイーパー)やカーブも投じていた。だがブルペンでは投げず、3月からは投手調整のペースを一度落とした。それ以降、右肘の負担が大きいとされるスライダーは、キャッチボールでも投げなかった。開幕後に再びブルペンでの投球練習を再開させたが、投げていなかった球種。ロバーツ監督やフリードマン編成本部長も、次なるステップの一つがスライダーだとしていた。
ロバーツ監督は「前進を続けていることには間違いない。
昨年12月、大谷は当然のように「今までDHと先発でやってきたので、もちろんその想定」と言い切っていた。今季はここまで真美子夫人の長女出産に伴って「父親リスト」に入った2試合をのぞく47試合に先発出場。フル回転を続ける中、二刀流復活も明確に見えてきた。(安藤 宏太)