◆米大リーグ ブルワーズ4―8オリオールズ=延長11回=(21日、米ウィスコンシン州ミルウォーキー=アメリカンファミリーフィールド)

 オリオールズの菅野智之投手が21日(日本時間22日)、敵地ブルワーズ戦で先発。6回を投げて1本塁打を含む5安打2失点、今季5度目のクオリティースタート(QS、6回で自責点3以下)を達成、チームの連敗脱出に貢献した。

 88球を投げて3奪三振、1四球、防御率は3・07、勝敗はつかなかった。試合は8回にムリンスの同点犠飛、カジャスタッドの勝ち越し左前適時打で勝ち越すも、抑えのバチスタがセーブ失敗。4―4で迎えた延長11回、ラッチマンの3ランなどで突き放し8―4で勝利。今季メジャーワーストタイの泥沼8連敗から脱出した。

 苦しみ抜いてつかんだ勝利をもたらしたのは、6回2失点、菅野の今季5度目のクオリティースタートだった。5―4で迎えた延長11回、奇しくも3年前のこの日、メジャーデビューしたラッチマンが、値千金の5号3ラン。最後は6番手ロドリゲスがブ軍の反撃を抑え、3時間28分の死闘に終止符。長かったトンネルの出口にたどり着いた。

 「ひとつ勝つことはこれだけ難しいことなんだ、とあらためて痛感しました。今日もキツいかなって感じはしましたけど。追いついて逆転まで行って、でも一筋縄にはいかなくて…。でも、最後、同点から粘って(勝ちに)いけたのは、今までにない勝ち方。

最後、勝ち切ったというのは、大きな意味があると思います」

 5月14日から屈辱の8連敗。逆転負け、完封負け、打撃戦で打ち負ければ、投手戦で惜敗。あらゆる負けを経験した。今季オ軍は7回を終わって劣勢の試合で、0勝27敗。反撃力が欠如していたが、先発右腕の奮闘に応えるべく、8回、ムリンスの同点犠飛で菅野の負けを消すと、一時は逆転に成功。トミー・ジョン手術明けの抑えのバチスタを今季初めて連投させる”禁断”の采配も、バチスタは勝利まで”あと1球”から同点打を浴びて、延長戦に突入。シーソーゲームの末に、10日ぶりの勝利をものにした。

 連敗中にハイド前監督が解任され、マンソリーニ暫定監督にとっては、就任5試合目の初勝利だ。4月は3連敗を2度ストップ。5月9日のエンゼルス戦では5連敗をストップ。そして、泥沼8連敗を阻止する好投で、今やエースの存在となった35歳は「1つ勝つことの大変さを皆、実感したと思うし、今日の日を忘れちゃいけないと思います」としみじみ言った。

 ア・リーグで有資格の新人先発投手で、投球回数58回2/3と、投手の安定感を示す指標WHIP1・02の2部門は堂々の1位。

4勝は1位タイ、防御率3・07は2位。7月のオールスター選出も視野に入った。

 「まだ始まったばかりなんで。終わったのは、3分の1くらいですかね。区切りのいい10試合(の登板)と考えると、それなりにはやれていると思います。もうちょっと高いレベルを目指しながら、かといって、今、できていることも忘れないように、しっかりやっていければなと思います」と落ち着いた表情で手応えを口にした。

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