◆JERA セ・リーグ 阪神2ー3巨人=延長11回=(22日・甲子園)

 耐え切った。巨人のR・マルティネス投手(28)は最後の打球が二塁・吉川の方向に転がった瞬間、すでにガッツポーズしていた。

11回裏2死満塁、一打サヨナラのピンチで梅野を二ゴロに。「アウトを取るのに苦労したけど、粘り強く投げようという思いで投げていた」。一塁・増田陸からウィニングボールを大事そうに受け取った。

 延長11回に1点をもぎ取った直後、当然のようにマウンドに上がった。「いつもとやることは変わらない。常にモニターを通して試合を見て状況を確認している」。先頭の佐藤輝に右前安打を許す。その後、2死二塁となったところで杉内投手チーフコーチがマウンドへ。代打・渡辺と勝負するか判断を委ねられた。サヨナラの走者となるリスクを覚悟で、申告敬遠した。「そう決めたということです。次の打者で勝負しようと」。

2死一、二塁とし、その後内野安打で満塁となったが貴重な1点を守り切った。

 これで開幕から20試合連続無失点で、リーグトップに並ぶ16セーブ目もマーク。10日には巨人などで活躍したクルーンを超えるNPB通算178セーブ目を挙げたが、これで182セーブ。歴代1位のサファテ(234セーブ)に着実に近づいている。「やっぱり練習の成果だと思います。手を抜かずに練習することを心がけているけど、疲れるとかはないです」と登板ごとに出た反省をすぐに修正する日々の積み重ねを強調した。勤勉な豪腕が、絶対的な安心感をもたらしている。(臼井 恭香)

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