◆米大リーグ ブルワーズ4―8オリオールズ=延長11回=(21日、米ウィスコンシン州ミルウォーキー=アメリカンファミリーフィールド)
オリオールズの菅野智之投手(35)が、チームの連敗を8で止める力投を見せた。21日(日本時間22日)の敵地・ブルワーズ戦に先発し、6回を1本塁打を含む5安打2失点、今季5度目のクオリティースタート(6回以上自責3以下)。
窮地のオリオールズを、またも菅野が救った。丁寧に変化球を四隅に散らす熟練の投球で、6回2失点。「一つ勝つことの大変さをみんな実感したと思う」。勝敗はつかなかったが、チームの9連敗を阻止した。
4月に3連敗を2度止め、5月9日(同10日)のエンゼルス戦では8回途中1失点で4勝目を挙げ、オ軍の連敗を5で止めた。迎えたこの日は泥沼の8連敗中。菅野の力投で接戦に持ち込み、延長11回に相棒ラッチマンの3ランなどで突き放し、待ちわびた1勝を手にした。
ベテランらしい分析眼と準備が光った。19日のカード初戦を見て「直球、シンカーを狙ってきている」と察知。変化球主体に組み立て、投じた直球は渡米後最少のわずか8球。
地元局MASNは「今日の投球はまさしく、『円熟のTomo』だった」と称賛。オ軍の球団公式Xは「トモのピッチングは冴(さ)えていた」と日本語でポストし、ファンからは「彼はエースだ」「ARIGATO」など多数のリプライが寄せられた。
5、6回に1点ずつを失ったが、きっちりゲームメイクして勝利に貢献。ハイド前監督の解任を受けて指揮を執るマンソリーノ監督代行は5試合目で初勝利を飾り、「どのボールも自在に操れる制球力。彼は最高だ。ずっと連敗ストッパーの役割を果たしてくれている」と感謝し、メジャー10登板目を終えた菅野は「それなりにはやれている」と手応えを口にした。崩壊状態の先発陣を35歳のルーキーが支えている。