◆JERAセ・リーグ 広島2―2ヤクルト=延長12回=(22日・マツダ)

 ヤクルトは逃げ切りに失敗し、延長12回引き分けとなった。打線は宮本丈内野手がプロ8年目で初の4番・右翼で先発出場し、初回に右前適時打を放るなど起用に応えた。

 内角に来た直球に宮本が反応した。0―0の初回2死三塁の好機で回ってきた。好球必打。1ボールからの2球目を一振りで捉えた。球団112代目の4番は「1打席目、すごい集中して入れたのはよかったですね。代打の気持ちでいったのがよかったかもしれないです」。一塁上からベンチに向かって右拳を突き上げ喜んだ。

 雨天中止となった21日。スタメン表を見て胸が高鳴った。「みんなびっくりしていました。僕もびっくりしましたけど」。大瀬良がスライドで登板したこともあり、一夜明けても自身が座る“席”に変更はなかった。

「初めてなので結果を出せるように頑張ります。チームがいい形で勝てるように」との熱い思いで打席に入り、有言実行の活躍を披露した。

 今季のチームは上半身のコンディション不良で村上が離脱していることもあり、4番はオスナ、サンタナ、村上、山田、内山、茂木に次いで今季7人目となったが実力でつかんだスタメンだった。開幕から代打の切り札として出場し、代打成績は打率3割8厘、1打点。出塁率は5割2分6厘をマーク。スタメン起用へとつなげた。

 高津監督も「チームとしてはいろいろ悩んで、彼を4番にしました。1打席目でさっそく結果を出してくれたので。その後(3回の)満塁で、一本打ってくれたら、なおよかったんでしょうけど、非常になれないポジションで、慣れない打順でよく頑張ったと思いますよ。大きな1打席だったと思いますよ」と評価した。

 3打数1安打1打点、2出塁。“つなぎの4番”としての役割を全うした宮本。

存在感は確かに示した。

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