◆パ・リーグ オリックス―西武(31日・ほっともっと神戸)

 オリックスで投手として活躍した星野伸之氏が31日、試合前のほっともっとフィールド神戸にてトークショーを行った。

 1995年の阪神・淡路大震災から30年を迎えた今季は、神戸での公式戦全6試合を「神戸シリーズ2025~がんばろうKOBE30th」として開催。

震災当時、星野氏はオックス・ブルーウェーブの一員として、四国で自主トレを行っていたという。「(関西の)家族に連絡をしたらつながらなかったので、まずは家族のことが一番心配で…。野球のことはちょっと、頭から離れた」と、神妙な表情で振り返った。

 そんな逆境のなかでも、神戸を本拠地としていたブルーウェーブは「がんばろうKOBE」を合言葉に、95年からリーグ連覇。それぞれの年に、星野氏は先発として11勝、13勝を挙げる活躍を見せ、復興への希望の光をもたらした。

 「あの時は(ファンの方に)楽しんでもらえたのかは分からないけど、(試合日は)嫌なことを忘れる一日であってほしいなって思いがあった」と、神戸市民の思いを胸に戦っていたことを回顧。そのなかで「被災された方が盛り上がってくれるからこそ、頑張らなきゃっていうのがあった。『ファンあってのプロ野球』だと思うけど、あの年ほどそれを感じたことはない」と、逆に勇気をもらったことを明かした。

 この日の試合、ナインはブルーウェーブの復刻ユニホームを着用。右袖に「がんばろうKOBE」と刻まれ、被災者に希望をもたらした栄光のユニホームだ。「とりあえず勝ってもらって、きょう勝ててよかったなっていう試合にしてもらいたい」と、後輩たちに温かいエールを送った。

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