メジャーリーグで、あの試合の裏側や日本人選手の頼れる同僚の秘話など、“サイドストーリー”に焦点をあてる「My Loving Baseball」。第3回は来年3月に開催される「第6回ワールド・ベースボール・クラシック」の出場を夢見るオリオールズのジャクソン・ホリデー内野手(21)に迫る。

菅野智之投手(35)の同僚で、22年ドラフトでメジャー全体1位指名を受けた超有望株が国際大会出場を熱望する理由とは―。

 26年3月に開催される第6回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)。すでに出場国が決まり、各国代表も続々と組閣が発表されている。米国代表はアーロン・ジャッジ外野手(33)=ヤンキース=が主将を務めることも決まって、今から大谷とのメジャーのスーパースター同士の“激突”に注目が集まっている。

 菅野智之投手が所属するオリオールズの若きスター、ジャクソン・ホリデー内野手もWBC出場を目指す一人だ。22年ドラフト1巡目(全体1位)でオ軍入り。24年4月、20歳でメジャーデビューを果たし、同年は60試合で1割8分9厘、5本塁打をマークした。今季は主に二塁手として50試合に出場し打率2割7分、6本塁打、24打点。5月4日のロイヤルズ戦では、球団史上3番目の若さとなる21歳151日で自身初のマルチ本塁打を記録。パンチ力あるリードオフマンとして存在感を発揮し始めている。

 そんな超有望株のジャクソンがWBC出場を熱望する理由が“親子共演”だ、

 「USAのユニホームを着てプレーする栄誉はスペシャルなもの。父と共にその舞台に立つことができたら、最高だろう」

 ジャクソンの父は、通算2096安打、316本塁打を誇る名スラッガーのマット・ホリデー。

すでに26年WBCの米国代表で、2大会連続で打撃コーチを務めることが発表されている。「父にすぐ電話したよ。エキサイトしていたし、僕もうれしい」とジャクソン。父の入閣を祝福し、「改めてシーズンで結果を出し、WBCのメンバーに呼ばれるような成績を残したい」と目を輝かせた。マット氏が06年の第1回WBCに出場した時は3歳だった。「覚えていないけど、父からよく当時の話を聞いて、映像は何度も見た。国際大会への関心が芽生えて、WBCに憧れを持つようになった」。初の米国代表は、高校時代の21年だった。「U―18」に選出され、「当時はコロナの影響で国際大会ができなかったけど、唯一、カナダとの親善試合が実現した。新鮮で誇らしい体験だった」と振り返る。

 WBCでの親子共演では、今年3月の予選で、ブラジル代表のコーチに就任したメジャー通算555本塁打のマニー・ラミレス氏と、母の母国のブラジル代表入りしたルーカス(エンゼルス傘下マイナー)が話題になったことが記憶に新しい。WBCという夢舞台での親子共演をモチベーションに、ジャクソンが飛躍のシーズンを迎えている。

 ◆ジャクソン・ホリデー(Jackson Holliday)2003年12月4日、テキサス州生まれ。21歳。スティルウォーター高から22年アマチュア・ドラフト1巡目(全体1位)でオリオールズ入り。24年4月10日のRソックス戦でメジャーデビュー。父はメジャー通算316発を誇り、オールスターにも7度出場した名スラッガーのマット・ホリデー。183センチ、83キロ。右投左打。

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