◆JERA セ・リーグ 中日4―2巨人(31日・バンテリンドーム)

 1点リードの7回に90球を超えていたグリフィンを続投させ、同点の8回はケラーを起用した。この2つの決断に、勝負どころを見据えた首脳陣による救援陣の丁寧な運用が垣間見えた。

 前日21球を投げた大勢をナイター翌日のデーゲームで、できれば使いたくない事情もあったと思う。その中で、ボールに強さがありゾーンで勝負できるケラーは、大勢やマルティネスが投げられない時に8、9回が務められる存在だ。この日は四球が絡む悪い面が出てしまったが、昨季もこの時期から調子を上げたケラーがセットアッパーにハマれば、ブルペンの選択肢が広がる。首脳陣の期待、狙いが伝わる起用だった。

 27日の広島戦(富山)に大勢を帯同させなかったように、「3連投はさせない」という原則だけではなく、コンディションを見ながらいろいろなやり方で、最大の強みであるリリーフ陣のコンディションを保とうとしている。当然、今は無理する時期ではないし、2年目の阿部監督は昨年の経験も踏まえて長いシーズンを見越して戦っている。勝負どころの9月に、3連投やイニングまたぎなど、リミッターを外せるようにするための運用と言えるだろう。(野球評論家・清水 隆行)

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