◆春季全道大会準決勝 旭川実4―0知内(31日、札幌円山)
準決勝2試合が行われた。旭川実は4―0で知内を下し、19年ぶりの決勝進出を決めた。
春夏合わせて甲子園に5度出場し、日本ハム・玉井大翔、お笑い芸人・とにかく明るい安村らを輩出してきた名門が、春初優勝に王手だ。2戦連続タイブレークを勝ち抜いてきた知内を完封リレーで退け、岡本大輔監督(52)は「守備がよく頑張ってしのいでくれた」とうなずいた。
勝利の立役者となったのは、途中出場の馬場。投打で見せ場をつくった。打撃では両チーム無得点の7回1死二、三塁でこの日2度目の打席へ。前半は、打線が知内のエース右腕・田沢慶明(3年)の低めの変化球に苦しめられており、「ゾーンを上げるように指示が出ていた」。真ん中のスライダーを中前にはじき返し、先制点をもたらした。
4回から上がったマウンドでは安定感抜群の投球を披露した。今大会は初戦から2試合連続先発。中継ぎは初だったが、昨年プロ注目右腕として活躍したOB・田中稜真(仙台大1年)直伝のスライダーなどを低めに集め、4回1安打無失点。危なげない投球でバトンをつないだ。
06年以来2度目の決勝進出。前回は駒大苫小牧に敗れて初優勝を逃しており、馬場は「優勝するのはもちろんそうだけど、夏につながる試合をしたい」。決勝も「安心してください」と言わんばかりの投球で北海打線を抑え、同校初の頂点へ駆け上がる。(島山 知房)