「入団当初の原点に立ち返って」２勝目逃した「エース」戸郷翔征に今足りないものを高木豊氏が指摘
１回２死、岡林勇希（左）に右翼へ同点のソロ本塁打を打たれた戸郷翔征（カメラ・豊田　秀一） 画像（1枚）

◆ＪＥＲＡ　セ・リーグ　中日４―１巨人（１日・バンテリンドーム）

　岡本が離脱する中、交流戦前に貯金４はよく頑張っている。増田陸や泉口ら若手が結果を出し、経験を積んだことはシーズン終盤に生きてくるだろう。

　気になるのは戸郷。失礼かもしれないが、岡林に、追い込んで内角のいいコースに投げた直球をホームランにされては困る。びっくりした表情を見せたけど、まさにそんな当たり。中日打線に直球を狙われ、はじき返された。今までファウルを取れた球で取れていない。

　６回、上林を申告敬遠し交代となったが、ベンチがそう選択するような投手でいてほしくない。上から目線で抑え込むのが本来の姿。本人は不満だろうけど、阿部監督が「エース」と思っているのなら当然続投だが、今はそう扱っていない。

　しかし、戸郷は「やらなければいけない選手」。復調しなければ巨人の連覇も遠のく。抹消され、良くはなっているがまだまだ物足りない。どうしても小手先の技術を覚えて全力で腕を振っているように見えない。

現役時代、私もそうだったが、いい時はそのテクニックでヒットが出ることもあったが、やはり必死に全力で振らないと続かなかった。投手も同じ。自分は今までどう勝ってきたのか、入団当初から思い出して原点に立ち返ってほしい。

　３日開幕の交流戦での不安は一点。ＤＨで使いたい選手がいないことだ。強いて挙げれば右投手の時に中山。あとは丸をどう起用するか。今後、岡本の復帰や坂本の復調、救援陣も余力を残す起用をしており、後半戦に向けたプラス要素はある。まずは交流戦でＤＨを生かしながら、力あるパの投手と戦いたい。（スポーツ報知評論家・高木　豊）

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