◆米大リーグ ドジャース18―2ヤンキース(31日、米カリフォルニア州ロサンゼルス=ドジャースタジアム)

 ドジャース・大谷翔平投手(30)が31日(日本時間1日)、本拠地・ヤンキース戦に「1番・DH」で出場し、2安打を放ってチームの21安打18得点の大勝に貢献した。自己新、球団新の月間16発は逃したが、年間176得点ペースとして1900年以降ではベーブ・ルースを超えるMLB新記録を視野に入れた。

試合前には23年9月の右肘手術後2度目のライブBP(実戦形式の練習)に登板。2イニングを想定して29球を投げ、最速97マイル(約156キロ)をマークした。

 大谷のひと振りが大勝への呼び水となった。初回先頭の1打席目に右前安打を放つと、ドジャース打線が勢いに乗った。打者一巡、10人で5安打4点。2回までに8安打で10点を奪い、ヤンキースとの“ワールドシリーズ前哨戦”を圧倒した。点差がつき、4打数2安打で13点差の6回には代打を送られてお役ご免。今季最多21安打18点の口火を切り、ロバーツ監督も「打線がつながって、いい試合だった」とご満悦だった。

 25~30日の5試合で放った5安打が全て本塁打だったように豪快な打撃が印象に残るが、1番打者として、チームに勢いをもたらす役割も十分に果たしている。象徴的な数字が63得点(58試合)。2位・ジャッジの54得点に9差をつけるトップで、データサイト「オプタスタッツ」によると、近代野球で5月中の60得点超えは初という。この日も2安打2得点。

162試合に換算すると176得点ペースだ。1900年以降の最多得点は1921年ベーブ・ルースの177得点。MLB記録に迫る勢いで本塁を踏んでいる。

 本塁打は出ず、5月は月間15発で終了した。月間本塁打の自己、球団記録の新記録はならなかったが、月間MVPの有力候補。「打つべき球に対してしっかりアプローチできている」と自己分析するように、好状態で過去2年計27発と得意の6月を迎える。

 ライブBPを終え、3時間21分後に試合開始と、久々に本格的な二刀流の日々が再開。試合中の映像では、ベンチで目を閉じている姿も映され、さすがの大谷も少しお疲れ気味だった。本塁打王であり得点王でもある最強の1番打者。疲労より二刀流ライフの充実を感じながら、毎年のように異次元の活躍を見せる6月に入る。(安藤 宏太)

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