◆春季近畿地区大会▽決勝 東洋大姫路1―0智弁和歌山(1日・さとやくスタジアム)

 決勝が行われ、昨秋王者の東洋大姫路(兵庫)が、今春センバツ準優勝の智弁和歌山との熱戦を制し、春は37年ぶり4度目の優勝を果たした。最速147キロ右腕・木下鷹大(ようた、3年)が9安打完封。

大阪桐蔭が根尾(中日)、藤原(ロッテ)ら「最強世代」で17年秋、18年春を制して以来の秋春連覇となった。智弁和歌山は、昨年春、秋に続く3季連続の準優勝に終わった。

 人さし指を立てた木下を中心に、東洋大姫路ナインが歓喜の輪をつくった。1―0の最終回2死一、二塁、最後は二ゴロで仕留め、9安打完封。息詰まる投手戦を制してつかんだ連覇に、岡田龍生監督(64)は「バッテリーをほめてやりたい。この大会での収穫はすごい」と笑顔でうなずいた。

 初回、木下はいきなり背負った1死満塁を二ゴロ併殺打に抑えた。その後も、6イニングで走者を置いたが「ランナーが出ても、抑えられる自信があった」。9回は4番の福元聖矢右翼手(3年)に8球粘られながら、最後は内角低めの直球で見逃し三振。センバツ準V打線に仕事をさせなかった。

 優勝候補とされたセンバツは、2回戦で広島商に敗戦。味方の失策もあったが、木下は2回に5安打6失点と踏ん張りきれなかった。

「桑原(大礼捕手、3年)もなかなか内角を使わない子で…ストライク先行と、インコースにどれだけ投げられるかが大事と常日頃、話してきた」と岡田監督。今春、エース右腕の阪下漣、末永晄大(ともに3年)を欠く中、エースナンバーを背負った木下は全試合に登板して防御率0・44。履正社時代を含め、初の秋春連覇となった指揮官は「実質、エースですよね」と、最大級の評価を示した。

 2016年(20年春はコロナ禍で中止)以降、春の近畿王者は8校全て同夏の甲子園に出場。そのうち、18年の大阪桐蔭と昨年の京都国際は全国制覇を達成している。吉報Vだが、新エースは「まだまだ阪下には及んでいない。優勝したことで夏は(他校が)打倒・東洋大姫路で来るので」。一切の油断なく、夏へ視線を向けた。(瀬川 楓花)

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