◆JERAセ・リーグ 広島0―8阪神(1日・マツダスタジアム)

 阪神・佐藤輝が勝利を決定づけた。2―0の8回2死一、二塁。

塹江の変化球を最後は右手1本で右翼席に運び、確信歩きの後にバットを放り投げた。「うまいこと打てたと思う」。7戦ぶりの12球団トップ13号3ラン。37打点と合わせ2冠に返り咲いた4番は「まだまだ打てるところもあった。練習したい」と頬を緩めることなく前を向いた。

 これまで好不調の波の激しさが課題だったが、開幕から出場51試合で打率2割9分と確実性も向上中。成長の秘密は、今季から始めたバットを構える前に両膝を曲げるスクワットのような動作にある。「この動きをやることで構えがいい形になるというか、いい感じなので」と股関節にしっかり体重が乗り、土台が固まることで対応力が増した。

 2戦連続で今季11度目の完封勝利。12年ぶりのマツダ3連戦3連勝と広島を圧倒した阪神は、リーグ優勝した2023年以来、2年ぶりに両リーグ最速で30勝に到達した。同じく23年以来の2ケタ10の貯金を持ち、2位・DeNAに2・5差の首位で交流戦に向かう。藤川監督は「まだ振り返る要素は私自身にない。

交流戦のことを考えていくことに尽きる」と引き締めた。(中野 雄太)

編集部おすすめ