◆東京六大学野球春季リーグ戦新人戦 第1日▽慶大4―2法大(2日・神宮)

 西武、巨人、オリックスで通算525本塁打を放ったレジェンド・清原和博氏(57)の次男で、慶大の清原勝児内野手(1年=慶応)が新人戦で神宮デビュー。8回2死三塁に代打で登場し、四球を選んだ。

 神宮の杜に「清原君」のアナウンスが鳴り響くと、大きな歓声が沸き上がった。

 「チャンスということもあり、後ろにいい打者がいるので、自分が決めるというよりはしっかりボールを見て、甘い球があればいこうと思っていた。後ろにつないで、追加点を取りたいとの思いで、打席に立ちました」。ボールを見極め、出塁すると、代走を送られた。ベンチでは仲間が祝福してくれた。

 赤いリストバンドは昨秋まで慶大の主砲として活躍した兄・正吾さんから譲り受けたもの。「正吾が使っていたヤツで、出られようになったらまずは使いたいと思っていました」。兄弟の絆がうかがえた。

 くしくもちょうど3年前のこの日、正吾さんが新人戦の東大戦で神宮デビュー。代打で右飛だった。伝え聞くと、「出塁したので、僕の勝ちかなと思います」と報道陣を笑わせた。

 客席から和博氏も見守る中、試合ではベンチの先頭に立ち、ナインを鼓舞。

代打出場に備えた。「この球場でメンバーに入って、試合をしたい思いは強かった」と勝児。次の目標は秋のリーグ戦デビュー。学生野球の聖地に、まずは第一歩を記した。(加藤 弘士)

 ◆清原 勝児(きよはら・かつじ)2005年5月1日、東京・港区生まれ。20歳。幼稚園年長から野球を始め、慶応幼稚舎(小学校)時代はオール麻布でプレー。小6時にはジャイアンツジュニアに選出された。中学時代は世田谷西シニアに所属。慶応では2年秋からベンチ入り。23年春夏の甲子園に出場。夏には代打の切り札として107年ぶりの日本一に貢献した。

175センチ、80キロ。右投右打。

編集部おすすめ