◆米大リーグ ドジャース3―7ヤンキース(1日、米カリフォルニア州ロサンゼルス=ドジャースタジアム)

 ドジャース・大谷翔平投手(30)が1日(日本時間2日)、本拠地・ヤンキース戦に「1番・指名打者」でフル出場したが、4打数無安打だった。先発した山本由伸投手(26)は今季最短の4回途中7安打4失点で4敗目(6勝)。

試合前に1・97だった防御率は2・39となった。ヤンキース戦3連勝を狙ったドジャースだったが3連戦3戦目は完敗。2試合で3発を放っていたヤンキースのアーロン・ジャッジ外野手(33)は4打数1安打で本塁打は出なかった。

 大谷に最後まで的を絞らせなかったのは、昨季ドジャースで同僚でもあったヤンキース先発左腕のヤーブローだ。レイズに所属していた19年6月に対戦した際には本塁打、三塁打、二塁を浴びてその試合で大谷はサイクル安打を達成。苦い思い出は残っているが、この日は大谷を3打数無安打に封じた。

 ヤーブローは93球を投げて、最速は89・5マイル(約144・0キロ)。大谷に対して投げた12球では88・1マイル(約141・8キロ)が最速だった。100マイル(約161キロ)超の速球を投げる投手も珍しくないメジャーにおいて、決して速くないボールで、カットボール、スイーパー、シンカー、チェンジアップなどを丁寧に制球して今季3勝目を挙げ、防御率は2・83だ。

 ヤーブローは大谷封じについて問われると「彼が非常にアグレッシブで、特定の球種を狙っていることは分かっていた。だから自分が得意とする球がどれかを理解したうえで、それを実行し、彼のタイミングを狂わせることに集中した。つまり特定の球種を待てる状況にさせないようにしたんだ」と説明。

昨季はドジャースに所属してド軍打者の特徴を理解していたことも攻略の鍵となったようで「日々彼らを見ていたから、そういった面では役立った。彼らが何を得意としていたかを理解して、それに対して自分の得意なことを使ってタイミングを崩すことが最大のポイントだった」と胸を張った。

 1打席目はカウント1ボール、2ストライクから最後は外角低めのチェンジアップで空振り三振。2打席目は外角3球でカウント2ボール、1ストライクになってからカットボールで中飛に打ち取った。3打席目は内角のシンカーを打たせて三ゴロ。カットボール、スイーパー、シンカー、チェンジアップをうまく組み合わせて大谷を翻弄した。

 力対力の勝負が増えてきているメジャーリーグ。そんな中で、ヤーブローは投球術で、リーグ最多22本塁打の大谷を封じた。

 ◆ライアン・ヤーブロー(Ryan Yarbrough) 1991年12月31日、テキサス州オースティン生まれ。33歳。2014年ドラフト4巡目(全体111位)でマリナーズから指名を受けて契約。17年にレイズにトレード移籍すると、メジャーデビューとなった18年にいきなり38登板(うち先発6)16勝。

19年も11勝を挙げた。ロイヤルズを経て23年途中にドジャース入り。昨季は7月にブルージェイズにトレード移籍し、今季はヤンキースに加入した。メジャー通算209登板(うち先発73)で56勝40敗3セーブ。196センチ、97キロ。左投右打。

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