「日本生命セ・パ交流戦2025」が3日に開幕する。セ・リーグ3位の巨人はパ・リーグ6位のロッテとの3連戦(ZOZO)からスタート。

阿部慎之助監督(46)は2日、パの本拠地で採用される「DH制」を有効活用し、勝利を重ねていく方針を示した。「今のところは外野手を回そうかな」と丸らを日替わりのような形でDH起用する方針。打線への交流戦での指令や5月に加入したリチャードについての思いも明かした。2005年に始まった交流戦は、20年に新型コロナウイルス禍で中止されたため今年が20回目となる。

 貯金4を持っていよいよ迎える交流戦。最初のカードは敵地でのロッテ戦とあり、「DH制」からスタートする。パの本拠地9試合で採用される中で誰を置くのか―。昨年は大城卓5試合、坂本2試合、長野と岸田が1試合と、ベテランと捕手を起用してきた中で阿部監督は「今のところは外野手を回そうかな、と」と外野陣で運用していく方針を明かした。

 交流戦前最後の試合だった1日・中日戦(バンテリンD)は左翼・若林、中堅・ヘルナンデス、右翼・キャベッジの外野布陣。ここに5月下旬に右太ももの負傷から戦列復帰した丸や、右肘手術から復帰し3日から合流見込みのオコエらもいる。故障明けでもある選手を無理せずDHとして起用できるのも有効な活用法となる。

 ここまで外野3人のメンバーは53試合中21通り。

44試合でスタメンのキャベッジや36試合の若林がDHで出場の可能性もある。指揮官は若手も我慢して使い続けているが、高卒3年目で初の交流戦となる浅野らにとっては好機の幅はさらに広がる。

 チームは岡本が負傷離脱中、坂本は再調整中で、打線には現在若手が多い。増田陸や泉口らが奮闘している中、交流戦では初対戦の投手も格段に増える。だからこそ指揮官は「戦い方は変わらないだろうけど」としつつ、「『どんなもんだろうな』って見るのは誰でもできる。そうじゃなくて、基本はストレートから待って、振って合わせていくのをやってくれたらうれしい。すぐ打席が終わっちゃうから」。受け身にならずに振っていくよう指令を出す。

 選手には、気持ちよく自分らしさを出してほしい思いもある。特に5月に加入し13試合2本塁打のリチャードは打率1割1分4厘、16三振だがパワーは大きな魅力。「この前『バントしましょうか』って言うから、『バントしに来たんじゃねえんだよ』って(笑)」と明かす。その上で「三振と長打の、その紙一重の中、見ててちょっとしたワクワク感みたいなのがある。

(打率)1割切っても2軍に落とそうとは思ってない。自分でいろんなことを学ぶつもりで頑張ってほしい」と考えすぎないような助言を与えながら、持ち味を発揮することを願う。

 リーグVへ向けての一つの分岐点になり得る交流戦。「もちろんやるからには優勝を目指してやるっていうのは言わなくちゃいけないんだけど、なんとか5割で、っていうのが最大の目標だね」。地に足を着けて勝利を重ねる。(田中 哲)

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