パ・リーグ6球団と日本相撲協会が、スペシャルコラボ試合を実施する。第1弾は3日からのオリックス―広島3連戦(京セラD)で、交流戦開幕の3日には幕内・宇良(木瀬)が特別始球式に登板。

オリックスの企画力が群を抜いている。主力10選手を力士に「変身」させるなど、斬新なアイデアに迫った。

 オリックスは「トップバッター」の立場を有効活用した。パ6球団にはそれぞれコラボ試合が予定され、3日の広島戦が最も早く開催される。3月26日に詳細が発表され、担当者ら4、5人の少数精鋭でアイデアを出し合った。

 「日程が一番早く、時間も限られていた。その中でオリックスらしさ、強みというものが出せた」と後藤俊一広報宣伝部長(52)は説明した。女性ファン向けの人気イベント「オリ姫デー」でも力を発揮した一人。「ファン目線」の企画は得意分野だった。

 5月29日には10選手が力士に変身した姿と、しこ名を優勝額風に公開した。生成AI(人工知能)を駆使し、写真を合成。大の里の横綱昇進も重なり、SNSで大きな反響を呼んだ。

「これは破壊力満点」。「なんという企画!」。「これ考えた人凄い!」。化粧まわしは、昨年の夏ポスター「ふるさと☆オールスター」で制作された選手ペナントのデザインを再活用。見れば見るほど、実在しそうな「羅王関」こと杉本裕太郎外野手(34)は「引退して太ったら、ああいうふうになるのかな?って(笑)。ファンの人に注目して、喜んでもらえるのはうれしいです」と、すっかりお気に入りの様子だ。

 コラボ試合に合わせ、球場内外に優勝額やのぼり旗をイメージした装飾が登場。独特の筆太文字「相撲字」で書かれたフェイスタオルやミニ座布団キーホルダーなども発売される。パ・リーグ75周年、日本相撲協会設立100周年。後藤部長は「日本相撲協会の方も、本当に柔軟な対応をしてくださいました」と、遊び心やサービス精神に感謝の言葉を添えた。

 ありそうでなかった、プロ野球と大相撲の融合。「京セラドーム大阪場所」が盛り上がることは間違いなさそうで、今後の展開にも期待大だ。

(長田 亨)

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