3日に亡くなった巨人軍終身名誉監督・長嶋茂雄さんゆかりの場所が、静岡県内に多数ある。その一つが、伊豆の国市(当時大仁町)にある大仁ホテルだ。

現役時代の1967年から73年までオフに自主トレを行った際、拠点として利用していた。日本一の富士山が望めると気に入り、離れの客室「富士」にいつも宿泊。74年に引退するまで“大仁山ごもり”とも言われた練習で鍛え上げた。

 離れの和室にネットを張って、夜も打撃練習をしていた。連日、何百球と打ち込む中、ただ1球だけミスして鴨居にボールを当ててしまったという。その跡は、当時から変わっていない部屋にそのまま残っている。同ホテルで9つある離れの中でも、いまだに「長嶋さんが泊まっていた部屋」として高い人気を誇るという。

 また、練習の一環でホテル周辺の坂道を走ったり、狩野川を挟んだ標高342メートルの城山まで駆け上がっていた。そのコースは現在、それぞれ約1・5キロの「長嶋茂雄ロード」、約6キロの「長嶋茂雄ランニングロード」と命名。2016年5月、記念碑ができたタイミングで長嶋さんが訪問すると、大仁駅で大勢の人から「お帰りなさい!」と熱烈な歓迎を受けていた。

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