◆1958年6月22日(川崎)=第1試合

 現役時代の長嶋茂雄さんは、抜群の勝負強さでファンの記憶に刻まれる名場面を数多く残してきた。公式戦2186試合、日本シリーズ68試合の中から、ベースボール・アナリストの蛭間豊章記者が12試合のメモリアルゲームを厳選した。

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 14試合続けて本塁打が不発、打率も3割を切っていたが、第1打席に左前に8打席ぶりに安打を放つと3回2死、一、三塁のチャンスに左腕・権藤正利の初球をたたくと左翼外野席後方の看板を越える10号3ラン、2死二、三塁で迎えた6回は、大石正彦から再び3ラン。8回にも宮本和佳からカウント3ボールから狙い打ってソロアーチ。3本とも左翼場外にたたき出した。長嶋は「きのう4―0(4打数無安打)だったでしょう。それで(コーチの)川上(哲治)さんと車で(球場に)来るとき腰が早く開きすぎるから、もう少しためて打ったら、と言われて打撃練習にその通りにしたらよく当たるんですよ。それを一か八か(試合でも)やってみたら打てました」とうれしそうに話した。

 ◇1958年6月22日(川崎)=第1試合

巨人 004 203 110―11

大洋 020 000 000―2

勝 大友 

敗 権藤 

本 土井5号(洋)、長嶋10号3ラン、11号3ラン、12号(巨)

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