長嶋茂雄さんのマネジャー役を長年務めた所憲佐氏が3日、ミスターとの思い出を語った。「監督時代からずっと、本当にかわいがってもらった」としみじみと話す所さんは、一番の思い出に1975年の巨人最下位を挙げた。
所さんは1軍サブマネジャー兼監督付きとして、常に近くにいた。「長嶋監督は人に悩みを打ち明けるのが嫌いな人だったから、私がすべて聞いていた」という役割も担い、“裏の顔”もすべて知っている。ある日、「長嶋さんが『あいつら(選手)は勝つ気があるのか? どう思ってるんだ』と怒っていて、私が選手の気持ちを代弁するんです。すると『そうか、じゃあ我慢しよう』と収まったり、というのがあったな」。負ければそこらへんのバットを折ったり、置いてあったイスをぶん投げたり大変だったという。「でも、お風呂入るとコロッと切り替わるから」とも回想した。
巨人軍を心から愛していたミスター。勝てば喜び、負ければ暴れる。「それもすべて、巨人が好きだからなんだ」と話した。