戦後の日本を象徴するスーパースターで、「ミスタープロ野球」と称された巨人軍終身名誉監督の長嶋茂雄(ながしま・しげお)さん=報知新聞社客員=が3日午前6時39分、肺炎のため都内の病院で死去した。89歳だった。
* * * *
長嶋さんとお付き合いするようになって、何年になるか。最初に監督を辞めて、空白の12年間も含めて、50年近くになるかもしれない。1936年生まれのご本人も冗談で言っていたが、89歳、“ヤキュウ”まで生き抜いた。
6月下旬に王貞治さんが、新しい野球組織についての記者会見を行うという話を耳にした。内容はわからないが、王さんは「なんとか野球の落ち込みを自分の力で取り戻したい」と強い決意で臨まれると聞いた。
長嶋さんも日頃、「野球への興味がかなり低下している」と気にされていた。最近は入院が長く、ゆっくり話もできなかったが、この王さんの話をすると、「まさに自分が一番やりたい仕事だ。できることがあったら何でも言ってほしい」と言っていた。
「ON」が再び、青少年野球で復活する段取りが作られたのだったが…。この夢が実現しなかったのは残念だ。