関西の巨人ファンが集う京都市下京区の居酒屋「野球燻し処 巨人語らせて」には3日、試合中止にも関わらず、G党が集結し、この日89歳で亡くなったミスタープロ野球・長嶋茂雄さんを悼んだ。

 G党にとって肩身の狭い関西で、巨人ファン一筋のオーナー・平岡孝健さん(33)は「球場で話すような店を作りたい」と、カウンター10席のアットホームな居酒屋を2年前に開店。

 ジャイアンツグッズに囲まれた店内では、上下のユニフォームに身を包み、長嶋茂雄・終身名誉監督のジャージをまとった熱烈なファンを筆頭に、突然の死に驚きを隠せないG党の姿があった。

 平岡さんは「関西Gたらこ」として、巨人のラジオ番組も発信する。「ついに来たか。来てしまったか。神様は人間だった」と衝撃にうちひしがれた様子。「長嶋さんは愛されている。試合中止でお客さんに来ていただいたのは今回が初めて」と、雨天中止日のG党集結に驚いた。三振でも人を引きつけるレジェンドの魅力を身ぶり手ぶりを交えて来客と目頭熱く語り合い、「今はシーズン中。明日からは長嶋さんのためにも、絶対に勝たなければならない」と、さらに強い気持ちで応援する考えだ。

 暖色の店内では、空いたビール瓶の奥で、長嶋さんの追悼番組とともに現役時代の応援歌が何度も何度も流れていた。

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