巨人ナインが3日、長嶋茂雄終身名誉監督の訃報(ふほう)に接し、故人をしのんだ。丸佳浩外野手(36)は広島からのFA移籍時に手紙でミスターからラブコールを受け、不振で2軍降格した21年にはG球場で熱血指導を受けて復調。

感謝の思いを込め、恩返しの活躍を目指す。

 室内練習場に丸の打球音が響き続けた。予定されていたロッテ戦(ZOZO)が雨天中止となり、チームは室内練習場で汗を流した。全体練習終了後も、居残りで黙々とバットを振ったあと、大粒の汗を流したまま、「まだ信じられないというか、びっくりしています。今年もお会いしてますが、本当に信じられない」と沈痛な胸の内を吐露した。

 幼少期から大の巨人ファン。「僕が子どもの時に、プロ野球をちゃんと見るようになった時のジャイアンツの監督が長嶋さん。その印象は強い」。18年オフに広島からFA移籍する前には、一通の手紙に背中を押された。「一緒に野球をできたらうれしい」。同じ千葉県出身の長嶋さんからの直筆メッセージに胸を熱くし、「巨人・丸」が誕生した。

 21年前半にもミスターに救われた。

打撃不振で2軍に降格。復活のヒントをくれたのは「丸と話がしたくて」と、G球場を電撃訪問した長嶋さんだった。「本当にたくさんのアドバイスをいただいた。まさか指導していただけると思っていなかったので、夢のような時間でした」と感謝は尽きない。

 4日のロッテ戦は長嶋さん、そして自身の出身地・千葉県のZOZOで行われる。「相手に向かっていきたい」。右大腿(だいたい)二頭筋筋損傷で出遅れた今季。ミスターへの感謝を心に刻み、巻き返す。(加藤 翔平)

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