◆日本生命セ・パ交流戦 日本ハム0―1阪神(3日・エスコンF)
最後の力を振り絞った素晴らしい1球だった。1―0の8回2死一、二塁。
日本ハムにとっては序盤の早打ちがアダになった。早いカウントから仕掛けていき、才木にプレッシャーをかける意図は分かる。だが、狙い球を絞りきれず、ボール球を振って相手を助けていた。4回までわずか31球でパーフェクトに抑えられた序盤は積極性というより、淡泊な攻撃に見えた。
9回は石井が締め、先週の5月27、28日のDeNA戦に続いて、1―0の完封勝利。セ・リーグ首位に立つバッテリーの力を見せつけた。開幕から先発陣、リリーフ陣が調子を崩すことなく、ここまでの圧倒的な投手力は「藤川マジック」と言ってもいいかもしれない。コンディショニングを第一にして、キャンプから取り組んできた成果だろう。
攻撃面でも3盗塁でリーグトップの盗塁数は45となった。意味のない盗塁ではなく、本当に先の塁がほしい場面での盗塁だった。普段は対戦しない相手にスコアラーを含めたベンチの勝利だ。日本ハムバッテリーに2戦目以降もプレッシャーを与える初戦の攻撃だった。(スポーツ報知評論家・掛布雅之)