◆東京六大学野球春季リーグ戦 優勝決定戦▽早大6―5明大(4日・神宮)

 86年ぶりとなる2季連続の優勝決定戦は、早大が6―5で明大に逆転勝ち。3季連続49度目の優勝を決めた。

早大は9日開幕の全日本大学野球選手権(神宮、東京D=報知新聞社後援)に2年連続16度目の出場が決定。10年ぶり6度目の大学日本一を目指す。同選手権は全出場校が出そろった。100周年を迎えた東京六大学リーグでも屈指のスター、立大OBの長嶋さんに連盟側は哀悼の意を表し、半旗を掲げて開催した。

 初夏の神宮で5度、宙に舞った。小宮山悟監督(59)は全体重を教え子たちに預けた。リーグ創設100周年の節目、優勝決定戦を制して3連覇を成し遂げた。

 「怒濤(どとう)の5連勝です! 彼らを思いきり褒めたいと思います」

 立役者は今秋ドラフト候補右腕・伊藤樹だ。ノーヒットノーランを達成した明大2回戦から、先発、抑え、先発、抑え、先発と5試合全てに登板。疲労も何の、最速150キロの直球で攻めた。4点リードの3回には5失点で逆転を許すが、そこからギアを上げた。「全く代えるつもりはなかった。

樹と心中するつもりだった」と指揮官。エースは最後までマウンドを守り「だいぶしんどいです」と笑った。

 連盟の発展に寄与した先人に恥じない戦いを―。小宮山監督は優勝決定戦が雨天中止となった3日朝、長嶋さんの死を知った。「千葉県、六大学、球界の大先輩としてね。日本の野球人気を支えてくれたのは、長嶋さんだと伝えたくて」。ミーティングではナインに命じた。「長嶋茂雄がどんな人だったのか、調べよう」。100年間、歴史のバトンをつないできたから、今がある。半旗はためく中での熱戦。閉会式では全6校が黙とうした。「その時、無風状態だったのに、風が吹いたんです。

ひょっとしたら空の上から見て、ちょっとだけ早稲田に力を貸してくれたのかなと」。故人に思いをはせ、言った。

 次なる目標は大学日本一。昨年は決勝で青学大に1―2で逆転負けした。「まだ道半ば。一戦必勝で頑張りたい」と伊藤樹。東京六大学代表の誇りを胸に、頂点を狙う。(加藤 弘士)

 ◆早大3連覇 早大は24年春から3連覇。50年春~51年春3連覇、02年春~03年秋4連覇、06年秋~07年秋3連覇に次ぎ、3連覇以上は4度目。法大の3度(すべて4連覇)を抜き、最多。00年以降、3連覇以上を複数回マークしているのは早大だけ(他に明大が22年春~23年春に3連覇)。

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