◆日本生命セ・パ交流戦 2025 日本ハム5―4阪神(4日・エスコンF)
日本ハムの山県秀内野手(23)は一塁ベースを回り、右こぶしを突き上げた。新庄監督にバンザイで迎えられると笑顔がはじけた。
母校の吉報を力に変えた。この日、早大が明大を下し、リーグ戦3連覇を達成した。ドラ5ルーキーは、「試合前に勇気と感動をもらった。節目の日に打つことができてよかった」。早大・エースの伊藤樹とは、後輩だが、お互い下の名前で呼び合うなど仲良し。「暇があったらご飯をおごる友達って感じ。今後おいしいお店に連れていってあげたい」と自身ではなく9回完投で優勝の立役者となった右腕をねぎらう優しさもみせた。
新庄監督からの助言も生きた。交流戦前日の2日、インスタグラムのDMで「ゆっくりタイミングを取って、ポイントを前にして」とメッセージがきた。「ボスは常に自分がどうやったら打てるか見てくれている」と抜群の信頼関係がメモリアルアーチにつながった。
指揮官も「守備もいいし、また面白い選手が出てきた。一時の間、ショートを守ってもらう」とスタメン起用も示唆した。華麗な守備が魅力の23歳がバットでも存在感を高めていく。(川上 晴輝)
◆山県 秀(やまがた・しゅう)
▽サイズ&投打 176センチ、80キロ。右投右打
▽生まれ 2002年5月1日、新潟・三条市生まれ。23歳。独身
▽球歴 4歳から野球を始め、東京・国分寺第二中時代は稲城シニア、難関校の早大学院を経て早大に進学。4年春には遊撃でベストナイン。東京六大学リーグでは通算62試合に出場し、197打数54安打の打率2割7分4厘、0本塁打。
▽趣味 姉の影響で小2からピアノを始め、早大2年まで週1回、教室に通う。得意な曲はショパンの幻想即興曲。入寮時には球団の応援歌「ファイターズ賛歌」の楽譜を持参した。「無意識に両手両足を使うところが野球につながる」
▽特技 6歳から小6まで体操教室に通う。器械体操がアクロバティックなプレーの原点。「空間認識能力が鍛えられた」
▽卒業論文 「企業の投資リスク」。商学部で再生可能エネルギーや金融などを研究
▽憧れの選手 鳥谷敬
▽好きな歌手 登場曲にも使用する「Little Glee Monster」