大谷翔平への“故意死球”　パドレスの言い分「内角攻め」「プランの一部」…監督と右腕の主張
３回、死球の痛みをこらえて出塁する大谷翔平（ロイター） 画像（1枚）

◆米大リーグ　ドジャース８―６パドレス（１７日、米カリフォルニア州ロサンゼルス＝ドジャースタジアム）

　ドジャース・大谷翔平投手（３０）が登板翌日の１７日（日本時間１８日）、本拠地・パドレス戦に「１番・指名打者」でフル出場したが、４打数無安打１死球でエンゼルス時代の２２年９月７日本拠地・タイガース戦以来３年ぶりに４三振を喫した。ドジャースは逆転勝ちで４連勝となった。

　４三振以上にひやりとしたのは、１点を追う３回１死走者なしの２打席目だった。２球目の９３・８マイル（約１５１・０キロ）直球が右太ももに当たって「アイッ！」と絶叫して、表情をゆがめた。場内は大ブーイング。審判団が集まって協議した結果、両チームに警告が与えられた。すると、ロバーツ監督がベンチを飛び出して猛抗議して退場処分となった。

　“報復死球”であったという見方のある大谷への１球。伏線は前日からあった。ナ・リーグ西地区のライバル対決。前日の４連戦初戦では、前の打席でサイン盗みを疑われたパヘスが死球を受けて、投手のシースをにらみつけて一触即発の事態となった。試合後にはパドレスのチームリーダーでもあるマチャドが「（報復死球を）誰かに当てるなら、（パヘスより）もっとスーパースターがいる」と挑発的なコメントをしたことをして火に油を注いだ。

　この試合では３回に２番手右腕のトリビノが、無死二塁でパドレスのタティスへ死球。パドレスは中心打者のタティスに当てられた「お返し」として大谷に当てたという“流れ”があった。

　パドレスのシルト監督は大谷への死球について「質の高い投球をするために、内角攻めをした中での出来事。ボールがバスケスの手から抜けてしまったと理解している」と主張。当てた右腕のバスケスは「あれについては、俺たちのプランの一部だった。それをしっかりと実行することができた。事前に立てていたプランでは、内角に速球を投げるというもので、自分はそれをしっかり実行することができた」と、内角を厳しく攻めるという組み立ての一部だったと訴え、当てたことについては「意図的なものではなかった」とした。

　一方で退場処分となったドジャースのロバーツ監督は「右投手であれだけの球を投げるのは難しい。もし（故意に）やるなら認めるべき。私はあれを意図的だったと感じている」と試合後も怒りが収まらないようだった。

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