日本学生野球協会の審査室会議が20日、都内で行われ、部員に素手で捕球する練習をさせ、手の指を骨折させる不適切な指導があった作新学院の小針崇宏監督(41)を危険行為とし、6月9日から12月8日までの6か月間、謹慎処分が下された。すでに学校側から小針監督には謹慎処分が下されている。

 同会議によれば、5月23日夕方のシートノック練習中、小針監督は一塁を守っていた2年生部員1人に、感覚をつかめるように送球をグラブを外し、素手で受けるよう指示した。

 指揮官は自らノックを打ち、打球を弱めて捕球しやすいバウンドで10球程度、捕球させた。また投手と二塁手にノックを打った際、当該部員への一塁送球も10球程度、行われたという。その際、小針監督からの指示はなかったが、投手や二塁手は送球を弱める配慮を行っていた。三塁手や遊撃手からの送球はなかった。

 小針監督が左投手に三塁側へのバント処理をさせた際、左投手は捕球して約20メートル離れた当該部員へ、素手であることも考慮して弱く送球した。その送球を両手で捕球しようとしたが捕り損ね、右手薬指に当たり、負傷した。

 当該部員はその後、病院で診察を受けた結果、右手薬指の2か所に骨折が判明し、同26日に手術を受けた。全治は2か月。28日には小針監督ら指導者が直接謝罪した。

 学校は監督、部長、コーチに厳重注意し、監督は6月9日付で謹慎処分とし、10日に県高野連に報告した。小針監督は2006年に監督就任。

2016年夏の甲子園大会で54年ぶりの優勝に導いた。春夏通算15度、甲子園に出場している。

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