◆日本生命セ・パ交流戦 2025 巨人2―1西武(20日・東京ドーム)

 巨人・中川皓太投手がビッグプレーで自らを救ってくれた今季初スタメンの小林誠司捕手に感謝した。

 先発の赤星優志投手が6回1失点と粘り、小林の勝ち越し適時打で6回裏に2―1とリード。

左腕は直後の7回から登板したが、いきなりの連打で無死一、二塁を背負った。ここで捕手の小林が打者のバント空振りによって飛び出した二塁走者を見逃さず、自慢の強肩を生かして二塁へ送球。遊撃手・泉口が三塁へと転送し、タッチアウトにした(記録は盗塁死)。

 「むっちゃくちゃ救われましたマジで。今日は誠司さんのおかげです」。その後1死一塁から滝沢を見逃し三振。マウンド上で勇気をもらった。試合後は自ら「前も1回あったんですよね2019年。9回に。あれを思い出しました。蘇(よみがえ)った」と過去の記憶がフラッシュバックしたことを明かした。

 2019年6月4日の敵地・楽天戦。

ビヤヌエバの逆転2ランで試合をひっくり返し、1点差で迎えた9回のマウンドに中川はいた。しかし無死一、二塁のピンチを招く。ここで小林が飛び出した二塁走者をドンピシャの送球でけん制アウトに。流れを引き戻すビッグプレーに助けられ、その後を無失点で締めた試合があった。

 守備でもチームの流れを変えられるベテラン捕手。「誠司さんは今日久しぶりにスタメンで出たのに、久しぶりとは思えないぐらい落ち着いていて。だからピッチャーとしてもすごい投げやすいというか、割り切ってああいうピンチでも自信を持って投げられる。そういうところは本当に、投げてるほうは心強いんです」

 キャンプ中も、開幕後も、2軍で若手と共に懸命に汗を流す背番号22を見てきた。この日、18・44メートル先にいる女房役はいつにも増して大きく見えた。「『思い切って来い!』というジェスチャーだったり、声かけを見ていると、すごい勇気をもらえるというか。そういう佇(たたず)まい。ピンチだったけど『いけるかも』って思わせてくれる雰囲気がやっぱりある。

すごい心強い」。球場を出るまで、感謝の思いは尽きなかった。(堀内 啓太)

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