◆第107回全国高校野球選手権 南北海道大会小樽地区 ▽2回戦 小樽潮陵15-1小樽未来創造=5回コールド=(25日・小樽市営桜ケ丘)

 小樽地区では、地方大会出場100回目の夏を迎えた小樽潮陵が15―1の5回コールドで小樽未来創造に快勝。ベンチ入り選手唯一の3年生で主将の村岡凌三塁手が2安打2打点をマークするなど打線をけん引した。

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 伝統校・小樽潮陵の100回目の夏が幕を開けた。主将がベンチ前から見守る中、1、2年生11人で校歌を斉唱。14安打15得点の5回コールド発進にも、成田貴仁監督(44)は「序盤は相手のミスでもらえた点数。自分たちで点数を取っていく試合ができなかったところは反省しないと」と気を引き締めていた。

 アクシデントを全員で乗り越えた。4回の守備で、この日2安打2打点の村岡の鼻にイレギュラーした打球が直撃。負傷交代を余儀なくされた。精神的支柱を失ったが、エース右腕・上林遼真(2年)は「自分たちが支えていかないといけない」。残された1、2年生でリードを守り切った。

 1904年創部で、小樽中時代の19年に夏の地方大会(東北大会)に初参加した。2014年には南北海道大会で準優勝。聖地にあと一歩まで迫ったが近年は部員確保が難しくなり、夏の地区突破は17年を最後に遠ざかっている。

 現在は3学年で選手12人まで減少。3年生の村岡は同級生がいないまま2年半を過ごしてきた。就任3年目の“同期”成田監督は「腐らず、めげず、ネガティブな言葉を聞いたことがない。こういう選手は初めて見る」と絶賛。特別な夏にかける思いは例年以上に強く、「チームの宝。1分、1秒でも長く試合をさせたい」と言葉に力を込める。

 村岡は出血する鼻を押さえて試合後、病院へ直行。23年秋から5季連続敗戦中である北照との3回戦が28日に控えるが、「絶対に出ます」と出場を宣言。小樽潮陵100回目の夏、そして村岡最後の夏はまだまだ終わらない。(島山 知房)

 〇…北照は小樽桜陽に14-1(5回コールド)。5番・崎山翔太三塁手(3年)が3安打6打点を挙げるなど、15安打で大量14点を奪った。崎山は1回1死二、三塁から中前に適時打を放つと、2回にも1死一、三塁から2点適時二塁打。

3回は無死満塁から走者一掃の適時打を放った。春は全道1回戦で知内に2―3で敗戦。以降、低弾道を意識して打撃練習に取り組んできて、「チーム全体で良くなってきている。それを生かして全道も勝って甲子園に行く」と意気込んでいた。

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