昨季最下位の西武が大健闘している。1年前の交流戦終了時は19勝44敗で首位と23・5ゲーム差の6位だったが、今季はここまで37勝31敗の同3・5差と好位置をキープ。
なぜ1年でここまで変わったのか。今季は打率こそ2割3分8厘で大幅な向上とは言えないが、失策はリーグ最少の27、防御率は同2位の2・39と、西口監督の掲げる「守り勝つ野球」で僅差の試合を制し白星を積み重ねてきた。
等身大の指揮官が作り出すフランクな雰囲気が、選手たちがのびのびとプレーできる環境につながっている。22年から昨季までの3年間、2軍監督を務めた西口監督。1軍監督になった今も、選手との接し方や距離感は変わらない。2軍監督時代から指揮官を知る山村も「全然変わらない。やりやすいっす」と感謝の意を述べる。現役通算182勝を挙げた名投手だが、威張ることはない。「打撃のことに関しては、もう全く分からないんで」と打撃練習は仁志敏久野手チーフ兼打撃コーチに全任せ。「僕はもう仁志さんの邪魔にならないようにケージの後ろで選手と雑談するだけ」と笑う。
昨季は交流戦までの45試合を終え、15勝30敗で最下位に沈み、松井監督が休養。
27日からはリーグが再開。「1つでも上を目指して、チーム一丸となって頑張っていきます」。新生・西武は、ここからさらに加速する。
◆西口 文也(にしぐち・ふみや)1972年9月26日、和歌山県生まれ。52歳。