日本ハムの宮西尚生投手(40)が26日、自ら記す連載「勇往邁進(ゆうおうまいしん)」で交流戦を振り返り、17年のWBCでチームメートだった、巨人・坂本勇人内野手(36)、小林誠司捕手(36)との秘話をつづった。また、3日に逝去した長嶋茂雄さんへの感謝の思いも語った。
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交流戦は(プロ入りから)18年経った今でも楽しいです。特に関西出身ということもあり、阪神戦は独特の高揚感があります。子供の頃から聞き慣れたチャンステーマを頭の中で歌いながら、リズムに乗って集中してるような感覚です。逆に巨人戦は応援を聞き慣れていないので声援が大きく感じます。09年と12年には日本シリーズで対戦していますが、敵地の声援を浴びているような感覚で、阪神戦とは違った高揚感を楽しんでいます。
交流戦は日頃なかなか会えない選手と対戦できるのも醍醐(だいご)味です。巨人では17年のWBCでチームメートだった坂本勇人選手、小林誠司選手から刺激をもらいました。勇人と初めて会ったのは、07年のプレ五輪の時でした。自分は大学4年、勇人はプロ1年目の18歳でしたが、当時から身体能力、バッティング、守備力が1人だけずば抜けていました。これで2軍選手なのかと衝撃を受けたことを今でも鮮明に覚えています。
誠司は、代表で初めてバッテリーを組みましたが、本当に投げやすかったです。コミュニケーション能力が高く、投手のことを第一に考えてくれる捕手です。
先日、長嶋茂雄さんが亡くなられました。面識はなくお目にかかることもできませんでした。改めて長嶋さんの成績を見返し、その数字には驚かされました。リアルタイムで現役時代を見ていない若い選手も、野球に詳しくない人でも存在を知っている、まさに国民的スターだと思います。野球人気の基盤をつくってくださり、毎日3万人超えのお客さんの前でプレーできるのは、偉大な先輩方のおかげです。その功績に感謝し、後世に受け継いでいくことが現役選手の使命だと思います。できることなら直接お話ししてみたかったですが、かなわず残念です。心よりご冥福をお祈りします。
交流戦も終わり、27日からはリーグ戦が再開します。梅雨時は体も重くなり、1年間で一番体がきつい時期です。今年は先発陣の頑張りのおかげで例年に比べて疲労は少なめですが、踏ん張りどころだと思っています。
(宮西 尚生)
◆2017年の宮西 WBCでは準決勝・米国戦を含む4試合に登板して、計2イニングを3安打無失点、4奪三振、無失点と中継ぎの役割を果たした。シーズン中に32歳を迎えた鉄腕は、プロ入りから10年連続50試合登板(その後14年連続まで継続)を達成した。