第107回全国高校野球選手権富山大会(7月11日開幕)の組み合わせ抽選会が27日、アイザック小杉文化ホールで行われた。優勝候補筆頭の富山第一は、初戦で富山東との対戦が決まった。

最速147キロのエース右腕、岩寺翔義(3年)と、140キロ右腕、和泉詩大(3年)の2人を軸に、秋春の富山県大会連覇、春の北信越大会も優勝するなど、実力は充分。特にエース岩寺は春に145キロ、北信越で146キロ、最近では147キロを計測するなど、徐々に球速も上がっている。福田一颯主将(3年)は「北信越で優勝して自信がつきましたが、夏は別のものだと思っている。まわりからはマークされるが、受け身にならず、果敢に戦いたい。県大会では圧倒し、全国ではベスト4に入りたい」と目標を掲げた。

 選手宣誓のクジを引いたのは、3年ぶりの夏甲子園を目指す高岡商の橋場遼輝主将(3年)だ。昨秋に続いて選手宣誓が決まって驚きの表情を浮かべた。「選手宣誓はやりたかったですが、率直にビックリしています。秋の宣誓はシンプルで短かったので、夏はしっかりと考えたいです」と笑顔を浮かべた。チームは144キロ左腕、岡田一桜(3年)と、141キロ右腕、川口優人(3年)を軸に、今春は4強入り。今大会の初戦は難敵の高朋に決まったほか、同じブロックにはライバルの富山商も。「引いたクジが、ベストのクジだと思っている。

まずは目の前の一戦に集中し、圧倒して勝ち上がりたい」と意気込んだ。

 ドラフト候補の145キロ左腕、江藤蓮(3年)を擁する未来富山は、富山高専と対戦が決定した。夏前の練習では、すでにプロ12球団が視察済み。春の県大会後から体重は3キロ増加し、180センチ、86キロの堂々とした体格から豪快にストレートを投げ下ろす。角鴻太郎監督は「昨夏は初めての背番号1だったが、一冬を越えてマウンド捌きや立ち振る舞いも向上した。ボールも強くなっている」と期待を寄せる。

 そのほかの注目選手として、魚津工の田中響生主将(3年)は投手、捕手の二刀流。180センチ、75キロの体格から長打を連発し、3番打者として高校通算16本塁打をマークする。投げては139キロのストレートが武器だ。田中は「見ている人が驚くようなホームランを打ちたい。球速は140キロを出したい」とさらなるスピードアップを目指す。富山中部の185センチ右腕・日下桜介(3年)は、最速140キロ。

中川憲太郎監督は「去年から場数を踏んでいる。どんな状況でも粘り強く投げられる」と信頼を寄せる。3連覇を狙う富山商は、最速145キロのエース右腕、藤岡大翔(2年)が好調をキープしている。昨秋の北信越大会で4強入りした高岡第一は、エース右腕、高原陽彩(3年)に加え、141キロ左腕、前田侑人(2年)も力を付けている。猪谷修斗主将(3年)は「春の初戦敗退の悔しさをバネにして頑張ってきた。みんなでつないで、全員で1点を取る意識で挑みたい」と意気込む。(中田 康博)

編集部おすすめ