1998、99年の有馬記念連覇に99年宝塚記念のグランプリを3勝したグラスワンダーが8日夕方に死んだことが分かった。30歳だった。
97年9月に美浦の尾形充弘厩舎からデビューし、無傷4連勝で朝日杯3歳S(現朝日杯FS)をレコードで制してG1初制覇。翌98年は故障で長期休養を余儀なくされたが、秋3戦目の有馬記念でメジロブライトを下し、見事に復活した。99年の宝塚記念を同期のスペシャルウィークに3馬身差をつける快勝。同年暮れの有馬記念はスペシャルウィークと一騎打ち。鼻差4センチの死闘を演じて長い写真判定の末、勝利をもぎとった。グランプリを3連勝し、大一番で強さを発揮した。的場均(現調教師)を主戦にG1・4勝を含む重賞7勝を挙げ、通算成績は15戦9勝。
種牡馬としては08年のジャパンCを勝ったスクリーンヒーローや11年宝塚記念覇者のアーネストリーを送り出した。孫世代となるスクリーンヒーロー産駒のモーリスは国内外G1を6勝。
尾形充弘元調教師「2年前に牧場に行って、1時間ほど会ったのが最後でした。『ありがとう』と言いたいですね。それ以外にありません。よく頑張ってくれました。現役時代で一番印象に残っているのは新馬戦です。スペシャルウィークと一騎打ちとなった有馬記念も思い出に残っていますが、馬なりのまま3馬身差をつけてゴール。息も乱れていない。『この馬は走るな』と思った瞬間で心の中に残っています」